2024.05.17

“キングの息子”ブロニー・ジェームズの評価が急上昇?ジャズが個別ワークアウトに関心

NBAドラフト注目選手の1人であるブロニー・ジェームズ[写真]=Getty Images

■ 父親譲りの才能を披露

 現在、NBAでは加熱するプレーオフの裏側で、リーグの明日を担うプロの卵たちが自身の真価を発揮しようと奮闘している。NBAはドラフト前のアピールの場として、カレッジ世代の実力者を招待し「NBAドラフトコンバイン2024」を開催した。

 今年の参加者の中で最大の注目の的となったのはレブロン・ジェームズの息子、ブロニー・ジェームズである。先天性心疾患の発見から南カリフォルニア大学(USC)でのデビューが遅れ、お世辞にも満足のいく成績を収められなかったジェームズ家の長男だが、コンバインでは秘めたポテンシャルをスカウトたちに見せつけることに成功した。

 身体測定では父親譲りの跳躍力を披露し、垂直跳びで参加者全体で4位となる103センチの高さを記録。また、3ポイントのシューティングドリルでは25本の試投のうち19本をメイクし、参加者全体2位となる76パーセントの成功率でスカウトたちにポジティブな印象を与えた。

 続くスクリメージのパフォーマンスも印象的だった。初日こそ4得点、4リバウンドと振るわなかったが、父が見守った2日目もベンチからのスタートながら、23分間のプレータイムで13得点、2アシスト、1リバウンド、3ポイント成功率40パーセントをマーク。積極性、ディフェンスの献身性など、数字で表現されないパートも評価に値する内容であり、ブロニーは試合後「僕はいつも最善の努力を心がけながらプレーしています。ハードにプレーすることで、それらはディフェンス面にも表れていると感じます」とコメントしている。

NBA関係者の評価は?

 ポジティプな要素の多かったブロニーだが、球団関係者たちからの評価はどうだったのだろうか。『ESPN』でドラフトアナリストを務めるジョナサン・ギボニーによると、ブロニーはコンバインで大きなステップアップを果たし、最新ランキングでは54位に位置するという。

「シカゴで過ごしたブロニー・ジェームズの1週間はポジティブなものでした。彼は我々の最新予測で2巡目後半に移動し、次の更新では54位に登場します。トップ100の後半だったことを考慮すれば、大きな飛躍と言えるでしょう。NBA関係者との会話でも、彼は本物のNBAプロスペクトとして地位を確立したと感じます」

「シューティングドリル、運動能力テストはもちろん、5対5は初日こそ出来が良くなかったですが、2日目はチームの勝利に貢献し、良いディフェンスを見せ、ショットを成功させ、試合勘の良さと万能性を示しました。彼の姿勢や熱意、そして自分がどういう選手なのかを理解している様子は、大勢から評価されています」

 ギボニーは、ブロニーを「依然として意見が分かれるプレーヤー」としながらも、3&Dとしてプロレベルでも一貫した役割を果たせると指摘。また、現役選手との比較では、ゲイブ・ビンセントやゲイリー・ハリスといった仕事人たちの名前が挙げられている。

■ 興味を示したNBA球団も

 こうした中で、具体的な関心を示しはじめた球団もあるようだ。『Yahoo Sports』のクリステン・ピークは、全体32位の指名権を所有するユタ・ジャズがこのカードを使ってブロニーを指名することに興味を持っているという。

「ジャズにはブロニーを個別のワークアウトに招待する気持ちがある。チームは球団社長のダニー・エインジの下で辛抱強い再建を続けており、ブロニーを迎えることでレブロンのようなスーパースターを引き寄せ、ジャズに新たな活気をもたらしたいと考えている。これがオーナーのライアン・スミスが求めているものかもしれません」

 スポーツブックメーカー「FanDuel」が掲載しているブロニーの指名オッズには、レブロンが所属するロサンゼルス・レイカーズのほか、マイアミ・ヒート、ダラス・マーベリックスなどの名前が挙げられている。それぞれの2順目指名権はレイカーズが55位、ヒートが43位、マーベリックスが58位となっており、どの球団もギボニーが評価した順位と非常に近い。

 カレッジ復帰も選択肢とされていたが、直近の報道ではこのままドラフト候補に残ることが予想されるブロニー。果たして、「NBAドラフト2024」で彼の名前がコールされることはあるのだろうか。

文=Meiji

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