Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
9月11日、代々木第二体育館でアルバルク東京の「2023-24シーズン TIPOFFイベント presented by リヴグループ」が開催され、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」に出場した吉井裕鷹も参加。イベントの合間にメディアの取材に応じ、日本代表活動を振り返りつつ、新シーズンへ向けた意気込みを語った。
会場入りの際に一際大きな拍手で迎えられた吉井は、イベント序盤から日本代表での活躍を称えられる度に、照れ笑いを浮かべながら恐縮している様子。帰京してからあらためて反響の大きさを実感しているといい、「(SNSの)フォロワー増えることはうれしいですけど、それに便乗して胸を張ったりしないようにしようと心がけていますし、なるべく庶民の考えでいたいなと…(笑)」と笑顔で話した。
ただ、バスケットボールの話題になると、引き締まった表情で慎重に言葉を選びながら話す姿があった。
自ら10日に行われたワールドカップ決勝について言及し、「ドイツはタレント性がありましたけど、それ以上にセルビアの一つ一つのディフェンスの強度だったりとか、オフェンスの遂行力だったりとか。そういった部分がまだまだ日本に足りないんじゃないかと思いました」とコメント。
トム・ホーバスヘッドコーチが率いる日本代表のテーマの一つでもある「3ポイントシュート」の決定力を大前提にしつつ、「あの試合を見ていると、それ以上にもっとタフにやれる場面がないとおかしい。僕たちのほうが小さいとなると、もっと激しくプレーしなきゃいけない」と語り、「Bリーグもレベルは高いので、そこでタフにバスケットをし続ければ、自ずと各選手のレベル上がってパリ(オリンピック)につながるんじゃないかと思う」と来夏に控える大舞台を見据えた。
“遂行力”については、吉井個人としてもBリーグデビュー当初から特に意識している部分だといい、ワールドカップ日本代表選手として臨む今シーズンも、A東京で求められる役割に謙虚に向き合う姿勢は変わらない。
「アルバルクのコーチたちに求められていることを遂行できればプレータイムはもらえますし、日本代表に帰ったら日本代表コーチ陣が何を求めているのかを理解して遂行し続けられれば(パリオリンピック出場の)12人にも入れるんじゃないかと思います。それ以上にステップアップが欲しいと言われれば頑張らなきゃいけないですけど、自分自身を分析して何を伸ばさなきゃいけないのか、毎日考えてバスケをしたいと思います」
かつてない国内バスケ熱を一過性のブームで終わらせないためにも“個の力”の向上を掲げ、「とにかく日本が強くなれば自ずとバスケットも盛り上がってくるんじゃないかと思う。他の選手を上手くすることはできないので、僕自身がBリーグで成長して日本代表に還元できれば、自ずと人気になってくるんじゃないかなと思います」と吉井。世界トップレベルの刺激を肌で感じた男は、今シーズンもより一層ハードなプレーで前進する。