2023.09.11
9月2日に沖縄アリーナで「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の17-32位決定ラウンドが行われ、グループOでは男子日本代表(FIBAランキング36位)がカーボベルデ代表(同64位)に80-71で勝利。アジア1位を確定させ、「2024年パリオリンピック」の出場権を自力で獲得した。
日本代表が「2024年パリオリンピック」の出場権獲得を決めた一戦で、吉井裕鷹は24分46秒出場。身長221センチを誇るカーボベルデの大黒柱、エディ・タバレスへのディフェンスなどで存在感を発揮し、チームの勝利に貢献した。
試合後の取材に応じた吉井は、「バスケットカウントを取られてしまった場面もありましたけど、自分で守れる部分は守り切った」と自身より26センチも身長の高いタバレスとのマッチアップを淡々と振り返る。一方で、「手応えはあるか」という質問に対しては一瞬言い淀み、「次への課題が出た」とこぼすなど、まだまだ自身のパフォーマンスに満足している様子は見せなかった。
大会直前の強化試合では得点面での活躍も光ったが、今回のカーボベルデ戦に限らず、吉井は大会を通じてディフェンス面でチームに大きく貢献。インサイドで体を張り続けられた要因はチームの雰囲気にあるようで、「とにかく練習中から体をぶつけ合って、激しいチームとの対戦を練習中からイメージして、切磋琢磨し合った。なんなら練習中の方が激しい可能性もあるくらい」と吉井は話し、ハードな練習の成果が大会で存分に発揮されたことを窺わせた。
要所でのディフェンスやブロックでチームのムードを押し上げる場面もありつつ、渡邊雄太やジョシュ・ホーキンソンを支える“仕事人”と呼べるような活躍ぶりも印象的だった吉井。今大会で成長した部分について問われると「アルバルク(東京)の時から求められているディフェンスの部分とかを、この5試合遂行し切れた」と明かした。
その点については一定の手応えも感じているようで、パリ五輪に向けて選考について話題が及んだ際も「アルバルクに戻っても、自分にどういった仕事が求められているのかを常に理解し続けてバスケットをすれば、道は切り開かれていくのかなと」とコメント。世界最高峰の舞台での経験を糧に、今度はBリーグでどのような活躍を見せてくれるのか。驕りや慢心を一切感じさせない25歳の若武者の、さらなる成長が今から楽しみだ。
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