2023.08.06

ワールドカップ日本代表入りへ向け、成長を続ける吉井裕鷹「逃げて負けるのが一番嫌なんで」

ニュージーランド戦後に、取材に応じた吉井[写真]=伊藤大允
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 8月4日にオープンハウスアリーナ太田で「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」が行われ、男子日本代表(FIBAランキング36位)がニュージーランド代表(同26位)と対戦した。

 2日に行われた第1戦では第1クォーター終了時に17-29とリードを許すも、第2クォーターで逆転に成功し、最後は79-72で勝利を飾った。しかし、続く第2戦でも17-21と最初の10分間でビハインドを背負うと、その後はジリジリとニュージーランドに点差を離され、75-94で敗戦。太田大会を1勝1敗で終えることとなった。

 敗れた第2戦で11得点1スティールと奮闘した吉井裕鷹アルバルク東京)は、試合後の囲み取材に応じた。「1試合目に勝ったので、同じぐらいのプレーを全員がイメージしてしまったのかもしれない」と試合を振り返った吉井は、「例えば、ボールを持っていないところでもニュージーランドの選手が体をぶつけてきて、面を食らった部分がありました。そこを全員がやり返すぐらいの気持ちでプレーできていたら違ったのかなと思います。韓国戦では1試合目に負けていたので、反骨心を持って全員がバチバチぶつかれたのですが、今回は勝っていたのでインテンシティーが下がってしまったのかなと」と、冷静に敗因を語った。

 Bリーグの2022-23シーズンが終わり、日本代表は「FIBAワールドカップ2023」へ向けてチャイニーズ・タイペイ、韓国、ニュージーランドと計6試合の強化試合を行なった。トム・ホーバスヘッドコーチに見出され、日本代表として1年間戦ってきた吉井は、このうち4試合で2ケタ得点を挙げるなど、確かな成長を見せている。

 自身のプレーについては「慣れてきたのもあると思う」と話し、「もともとできる力があったのかもしれないですけど、遠慮してる部分が多かったり、自分の求められているプレーが違ったので、最初の方はとにかくディフェンスをハードにして、あとは思い切ってシュートを打つぐらいでした。変わったというよりかは自信を持ってプレーできるようになったイメージですね」と、気持ちの面での成長を実感しているようだ。

吉井は自信の漲ったプレーを発揮し、攻防両面で存在感を強めている[写真]=伊藤大允

 また、A東京で普段の練習からライアン・ロシターセバスチャン・サイズといったビッグマンとプレーしている吉井は、「アメリカ出身のビッグマンや、スペイン代表のセバスなど、そういった選手たちとやっていると、世界と戦うときの指標になるので、面を食らうことも学生の頃よりはなくなっているんじゃないかと思います」と、フィジカル面などで大きなプラスになっていると言う。

 以前からホーバスHCにシュートフォームの改善を求められていた吉井は、着実に滑らかな3ポイントシュートを会得しつつあるが、「まだ定まっていないので自信過剰にならず、常に自分が打ちやすい、周りから見てもスムーズだと思えるようなシュートを毎日心がけてる」と気を引き締め、「練習では多くの本数を打っていますし、周りの人にも意見を聞いています。トムさんは特に言ってくれて助かっています」と語った。

 今後は15日にアンゴラ代表(同41位)、17日にフランス代表(同5位)、19日にスロベニア代表(同7位)と強化試合を行い、8月25日に開幕するワールドカップへ挑むこととなる。

「アンゴラはさっき聞いた話だと、秋田ノーザンハピネッツなどにいたジョゼップ・クラロス・カナルス(今季よりB3の横浜エクセレンスHC)が監督でいらっしゃるので、僕たちみたいにプレスをかけてきて、それにプラス僕らより身体能力があるので、そこは本当に面を食らわないようにしないといけない。ボール運び一つでも面食らっちゃったらガンガンいかれますし、今回よりもフィジカルにやっていかないといけないです」

 ここからはFIBAランキングが1ケタの強豪国との強化試合も控えているが、「逃げて負けるのが一番嫌なんで、どんなチームが相手でもチャレンジしていきたい。何も残せず終わるのが一番辛いんで、何かチームに貢献できることがあれば、それは別に得点じゃなくても全然いいです。今日の試合でのテイクチャージもそうですし、テイクチャージは普通に2点を取るより盛り上がりますから、そういった部分はどんどん狙っていきたい」と、力強く意気込みを語った。

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