2023.08.18
7月9日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 静岡大会」が浜松アリーナで開催され、男子日本代表(FIBAランキング36位)がチャイニーズ・タイペイ代表(同69位)に92-56で2連勝を飾った。
トム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表は、8日に行われた第1戦に108-86で勝利。続く第2戦では吉井裕鷹(アルバルク東京)が第1クォーターから9得点と存在感を発揮する。最初の10分間でチャイニーズ・タイペイをわずか7得点に抑えた日本は、強度の高いディフェンスで試合の主導権を握り、勝利を手にした。
第1戦では19分42秒の出場で11得点3リバウンド2アシスト1スティールを挙げた吉井は、第2戦で先発として22分21秒のプレータイムを得ると、チーム最多の16得点に加え、3リバウンド4アシスト1スティールと躍動した。
試合後の会見では、「ミーティングでトランジションを増やすために、ディフェンスの強度を上げようという話をしましたが、それを体現できたのではないかと思います。ディフェンスのシステムも今日は第1戦と変えました。これからどんな相手が来るとしても、いろいろな守り方を試しながら、いいゲーム運びができるんじゃないかと、糧になる試合でした」とコメント。第1戦では86失点したが、続く第2戦では56失点に修正し、連戦の中で手応えをつかむことができたようだ。
試合の出だしから積極的な姿勢を見せた吉井は、オフェンスチャージを奪うなど、攻防両面で活躍。フィジカルなディフェンスで奮闘したものの、2試合ともに3つのファウルを犯すなど、課題も見られた。
ホーバスHCは「吉井のエナジーとフィジカルな部分は本当に大きい」と称えつつも、「彼は2試合とも、リングから遠い場所などで良くないファウルをしました」と、効果的ではないファウルを指摘。吉井自身も「トムさんに言っていただいたように、ファウルを使うべきところと使ってはいけないところがある。チームファウルが溜まり、簡単にフリースローを与えてしまうので、無駄なファウルをなくしていかないといけない」と、ディフェンスでも的確な状況判断をするべく改善に意欲を見せた。
オフェンス面については「一発目にシュートが入ったことで、自信を持ってプレーできました」と振り返った吉井。活躍の要因を聞かれると、「『自信を持って打つ』きっかけをくれたのがトムさんで、それを今も継続してやっています。空いたら打つ、詰めてきたらドライブしてキックアウト。ベーシックなことをやっているだけだと僕は思っています」と、淡々と語った。
現在日本代表は、8月25日開幕の「FIBAワールドカップ2023」へ向けて、ロスター争いの真っ最中だ。しかし、吉井は過酷なサバイバルレースの中でも、チームの団結を重視しているという。
「試合となるとチームなので、みんながうまくプレーできれば、僕自身も自ずとうまくいく。それを先導してできていければベストなのかもしれないですけど、試合が始まる前になるべくみんなとハイタッチをするようにしたり、そういうので僕自身も(気持ちが)上がっていきます。自分個人のサバイバルというよりは1試合1試合、毎練習毎練習、チームがステップアップできるように意識しています」
「レベルの高い国と対戦したときにどれだけ自分の力を発揮できるかが楽しみ」と語る吉井だが、大舞台へ向けての意気込みを聞かれると、「チームの日々の練習を盛り上げたり、もっといいバスケットができるようにどうしたらいいのかを、チームや選手、コーチと毎日しゃべり続けて、気がついたらいい準備できていて、ワールドカップでいい試合をするのが一番いいんじゃないかなと思います」と、再び落ち着いた様子で語った。
今後、男子日本代表は7月22日・23日にアウェーで韓国との強化試合に臨む。ワールドカップ本番まで約1カ月半となったが、ブレない男の活躍に注目だ。
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