2023.07.11
7月9日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 静岡大会」が浜松アリーナで開催され、男子日本代表(FIBAランキング36位)がチャイニーズ・タイペイ代表(同69位)に92-56で2連勝を飾った。
トム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表は、8日に行われた第1戦に108-86で勝利。第2戦ではチームの3ポイント成功本数が9本(成功率22.5パーセント)にとどまり、第1戦の21本(同44.7パーセント)の半分以下となったものの、相手を56得点に抑え込む強度の高いディフェンスで勝利を手にした。
ホーバスHCは試合後の会見で、「出だしからディフェンスが良く、試合の流れを作りました。第1戦で足りなかった部分がアジャストできていて良くなったと思います」と、チームディフェンスの出来を称えた。オフェンス面については、「第1戦はすごく良かったが、今日はあまりシュートが入らなかった。それでも、2ポイントの確率(60.6パーセント)が良く、フリースローも30本(25本成功)と、3ポイントだけ入らなかったが、ほかのことをやっての92得点は悪くないと思います」と語り、積極的なペイントアタックから得点を伸ばしたことを評価した。
8月25日開幕の「FIBAワールドカップ2023」へ向けて日本代表が再始動し、今回が初の強化試合となった。「Bリーグがシーズンオフなので、みんなのコンディションがバラバラだったんです。コンディションが良い選手もあまり良くない選手もいて難しかった」と、指揮官は苦労を語りつつ、一丸となる代表チームの空気感には大きな手応えを得ているようだ。
「(選手選考の)サバイバルなのですがチームが一番大事です。第1戦で原(修太/千葉ジェッツ)のシュートがいっぱい入って、ベンチがすごく盛り上がったじゃないですか。あの選手たちもサバイバル中なんです。でもみんなが喜んでいて、そこはすごくうれしいです」
エースである八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)の欠場が決まったが、「塁は残念ですが、うちは止まらないです。今いるメンバーでいいチームを作ります。みんなの気持ちがすごく強くて、本当に雰囲気がいい」と、力強く語るホーバスHC。続く韓国遠征、その後国内での強化試合と、本大会へ向けてのカウントダウンがスタートし、12人のメンバー選考にもより一層注目が集まる。
「原は相手のビッグマンをディフェンスできるかどうかをテストしました。金近(廉/千葉J)はシュートの自信が少し下がりましたが、ディフェンスやリバウンドなどいろいろできるなと思います。比江島(慎/宇都宮ブレックス)は少しポイントガードをやりましたが、ペイントアタックも上手です。彼はすごく経験があって気持ちも強いですが、それをあまり見せない。西田(優大/シーホース三河)は合宿中にMVP級の活躍で、2試合目は良かった。ディフェンスも強いですが、1番をできるかどうかは勉強中です。須田(侑太郎/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)もこの1年間いい仕事をしたけど、今回の合宿では3ポイントの調子は悪くはないけど特別じゃない。でも彼もディフェンスがよくできる」
自身の強みを発揮する選手や、発揮できなくとも別のプレーで奮闘するなど、それぞれの形で指揮官へのアピールを続けている。第1戦で11得点、第2戦ではチームハイの16得点をマークした吉井裕鷹(アルバルク東京)については、「吉井も合宿ですごく良かったけど、首をケガして2日間あまり練習できなかったんです。でもトレーナーさんと一生懸命頑張って、コンディションは100パーセントじゃないけど、いい仕事をやりました。彼はすごくステップアップしたと思います」と語り、「早くに15人か14人ぐらいに絞りたいんですけど、今はできないね。もう一回このメンバーで合宿して、もうちょっと見たいです」と、ホーバスHCも頭を悩ませている様子。
指揮官は「まだオフェンスのタイミングやスペースがピッタリじゃない」と話しつつも、「ディフェンスからも、オフェンスからも勝ち方がある。チャイニーズ・タイペイは日本よりランキングが低いので、勝つのが当たり前だと思っている人もいるかもしれない。そのプレッシャーがあって、いいバスケットが見せられた。このチームが延びたかなと思います」と、今回の2試合をとおしてチームの成長を実感した。
今後、男子日本代表は7月22日・23日にアウェーで韓国との強化試合に臨む。ワールドカップ本番まで約1カ月半となり、激化するサバイバルレースから目が離せない。
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