2023.09.03
7月8日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 静岡大会」が静岡県の浜松アリーナで開催され、日本代表は、108ー86でチャイニーズ・タイペイに勝利した。
この試合、6本の3ポイントシュートを決め、観客、そしてチームメートまでも熱狂させたのが原修太(千葉ジェッツ)だ。
第2クォーター残り3分、原は、この試合初めてコートに立つ。「合宿が始まるときから、自分自身、日本代表では下からのスタートだと思っていたし、他のメンバーは今までの大会での信頼も厚い。出る順番は、しょうがないのかなと思っていました」というように、遅い出番にはある程度、覚悟はしていた。だが、同時に「(試合開始から出場するまでの)あの10分ちょっと、久々にああいう悔しい思いをしたので、出たらやってやろうと思っていました」という気持ちも抱いていた。
そしてその言葉どおり、原は第2クォーター終了間際に3ポイントシュートを1本決めると、後半は第4クォーターの出だしから再び登場し、このクォーターだけで5本の3ポイントシュートを沈めた。終わってみれば3ポイントシュート6本で18得点。これは馬場雄大とともにチームの最多の得点となった。
「特にスタッツを意識して試合に入ることはなかったのですが、トムさん(トム・ホーバスヘッドコーチ)が求める、『空いたら積極的に3ポイントシュートを打つこと』、それと僕の強みである『ディフェンスとドライブ』を意識しました。アピールするというよりは、自分の仕事を全うするという気持ちで試合に臨んだ結果がああいった結果になりました」
試合後、記者に囲まれた原は冷静に試合を振り返った。さらに、「今日は(シュートが)入りましたが、僕の強みは、例えば明日(シュートが)入らないときでもディフェンスなどでアピールできるので、3ポイントシュートがが入ったことはうれしいですが、切り替えて、(第2戦以降も)自分の強みを出していけたらいいなと思います」とも語った。
原自身、第1戦は得点がすべて3ポイントシュートだったが、チャンスがあればドライブでも積極的に行いたいと考えており、「スピードはない方なのですが、スペースに切っていくプレーは得意なので、そこからのアシストやレイアップシュートをやっていければいいなと思います」と、言う。
現在、日本代表は、8月25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」に向けたメンバー選考の最中。トライアウトの中で、今回の活躍は原にとっても大きなアピールとなっただろう。
それでも、「ほかの選手の“信頼”というのはもっともっと厚いものがあります。めちゃくちゃ下だったところからちょっと上にあがったぐらいだと思っているので、頑張っていくだけです」と、原は気を引き締める。
持ち味であるディフェンスについては、「(出場したタイミングが)点差が開いていて、守りやすくなっていたので、今日は最低限の仕事ができたかなと思います」と、自己評価。そのうえで、「どんな選手でも守れるというのがアピールポイントだと思ってるので、序盤から試合に出て、相手の乗っている選手(のマークを)任せられるような選手になっていきたいです」と、原は続く第2戦以降に向けても強い意志を口にしていた。
取材・文=田島早苗
写真=伊藤大允
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