2023.07.09

3Pとペイントアタックの両立で存在感を放った富永啓生「3P以外でもアピールできるように」

2試合連続で2ケタ得点をマークした富永[写真]=伊藤大允
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 7月9日、「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 静岡大会」が浜松アリーナで開催され、男子日本代表(FIBAランキング36位)がチャイニーズ・タイペイ代表(同69位)に92-56で2連勝を飾った。

 トム・ホーバスヘッドコーチ率いる日本代表は、昨日行われた第1戦に108-86で勝利。第1戦ではベンチから12分38秒出場した富永啓生(ネブラスカ大学)は、4本の3ポイントを沈めて12得点2リバウンド2アシストをマーク。第2戦ではスターターに起用され、18分19秒のプレータイムを得ると、2本の3ポイントを含む13得点2リバウンドと活躍した。

 2試合連続で持ち前の得点力を発揮した富永は、「2勝できたのはすごく良かったです」と試合後の囲み取材で語ると、「1日目は3ポイントでチームをけん引して、2日目はペイントアタックもできました。1日目は少し3ポイントに偏ってしまった部分がありましたが、今日は両立できました」と、自身のプレーを振り返った。

 第2戦ではチームの3ポイント成功本数が9本(成功率22.5パーセント)にとどまり、第1戦の21本(同44.7パーセント)の半分以下となった。しかし、3ポイントとペイントアタックのバランスも重視しているホーバスジャパンは、積極的なアタックを仕掛けてレイアップやフリースローで得点を伸ばした。

「ずっと(ホーバスHCは)3ポイントだけではダメだと言っているので、カッティングであったり、3ポイント以外のところでもアピールできるように頑張っています」と語る富永は、カッティングからバスケットカウントのレイアップを決めるなど、ペイントアタックでも存在感を示した。

最大の武器はもちろん3ポイントだが、第2戦では効果的なペイントアタックも見せた[写真]=伊藤大允

 また、日本は第1クォーターにチャイニーズ・タイペイをわずか7得点に抑え込むと、試合全体でも56得点にとどめるなど、前からプレッシャーをかける強度の高いディフェンスを発揮した。「昨日は向こうのイージー3ポイントだったりが目立ってしまいましたが、今日はしっかりコミュニケーションを取ってやれました。また、ディフェンスではスイッチではなくファイトオーバーに変わり、それがうまくいったと思います」。

 出だしから100パーセントのエナジーでプレーしたという富永は、体重を増やし、フィジカル面でも強化を遂げたというが、「体は前から比べて本当に強くなってきてると思いますし、当たり負けをしなくなってバスケットのすべての場面ですごくいいです」と、その変化を実感したようだ。

 現在のチームの連携について聞かれると、「本当に毎日が気づきばかりです。皆さんがどういうプレーが好きなのか、どういうプレースタイルなのか、一日一日勉強してる状態です。連携に関してはなかなか難しいところがあるんですけど、今日はカッティングからの得点シーンもあったので、合宿を重ねるにつれて徐々に良くなっていくんじゃないかなと思います」と、チームとしても手応えを感じつつある。

「3ポイントに関しては、打って怒られることはないので。相当なタフショットじゃない限り、とりあえず空いたら狙います」と話す富永。破壊力満点の若手シューティングガードは、8月25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」への切符をこのままつかめるのか、今後の強化試合でも目が離せない存在だ。

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