2023.08.06

比江島が強化試合初のチームハイ「明日切られるというメンタリティは変わらない」

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 8月4日にオープンハウスアリーナ太田で「バスケットボール男子日本代表国際強化試合2023 太田大会」が行われ、男子日本代表(FIBAランキング36位)がニュージーランド代表(同26位)と対戦。2日の第1戦に79-72で勝利した日本だったが、この日はニュージーランド代表に終始リードされ、75-94で敗戦した。

 試合終了後、インタビューに応じた比江島慎宇都宮ブレックス)は3ポイントシュート2本を含む12得点でチームハイをマーク。「チームが得点面で苦しんでいたので、積極的に点を取りに行こうという意識で入りました。もちろんこのチームはディフェンスで流れを掴んでいくスタイルだと思うのでそこも意識しながらプレーしていました」と語った。

 この試合ではフィジカルの強い相手に対し、リバウンドやボディコンタクトの面で苦戦した日本。「前回の試合に相手が負けているので、相手はエネルギーをしっかり出してきたし、それを上回れなかったという部分は反省しなきゃいけない」と敗因を分析。それでも、「日本の持ち味であるスピードを出せない時間帯は相手に流れがいったけれど、アップテンポにいけているときはズレを生じさせることができて良いバスケットもできた」と語り、強豪相手に渡り合えるという自信も得られた様子だった。

 一方、自身は外回りだけでなく代名詞の“比江島ステップ”も炸裂させ、果敢にインサイドアタックする様子を見せた。「相手がよりフィジカルに来たので、ちょっとの隙間で3ポイントシュートを狙ったり、自分の持ち味であるドライブが活かせるのではないかと考えました」と豊富な経験からチームの状況、相手の状況を見極めて自分のプレーの最適解を体現できたようだった。

限られたプレータイムで持ち味を発揮した比江島 [写真]=伊藤大允

「ニュージーランドは昔からフィジカルがあるチームですが、オーストラリア、フィンランド、ドイツはこれ以上のプレッシャーを感じるはず」とワールドカップ本戦の厳しさを話す。そのなかでの自身の役割については「ディフェンスと点を取ること」と何度も強調していた。「どの選手が出ても質が落ちないのが日本の強み。それを自分も体現したいし、自分の持ち味を出していけるようにしっかりアピールしていきたいなと思います」とチームの1ピースになるべく、残りの強化試合に臨む覚悟をのぞかせた。

 長らく日本の顔として確固たる地位を築いてきたベテランは、今回の代表チームでバックアップの役割を担っている。「日々死ぬ気でやっている」という言葉を何度も口にしてきた比江島は「今日も変わらず、1日1日明日切られるというメンタリティで臨んでいた。それはいつも変わらない」と強い言葉を発した。誰よりもハングリー精神をもってコートに立ち、限られたプレータイムの中でチームハイをマークする彼の存在は、この代表チームにスタッツ以上の価値をもたらしているだろう。

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