2023.08.20

ワールドカップ前最後の強化試合を終えた比江島慎「もっと点を取りにいかなければいけない」

35点差で敗れたスロベニア戦を振り返った比江島[写真]=伊藤大允
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 8月19日、有明アリーナで「SoftBank CUP 2023(東京大会) バスケットボール男子日本代表国際強化試合」が行われ、日本代表(FIBAランキング36位)がスロベニア代表(同7位)と対戦した。

 試合は第1クォーターこそ5点ビハインドの接戦だったものの、第2クォーターから徐々に点差をつけられ、2ケタのリードを許すことに。世界トップレベルのチームを相手に、後半でも試合の流れをつかむことはできず、最終スコア103-68で敗れた。

 チーム最年長の比江島慎宇都宮ブレックス)は、試合後のインタビューで「前半ではスピードで上回っていた部分もあったし、相手のリズムを狂わせて、自分たちで仕掛けるバスケットができていた」と序盤の流れを評価。しかし、「相手が後半にスピードやプレッシャーにアジャストしてきて、流れが向こうに行ってしまった」と語り、後半は日本のペースで試合を運ぶことができなかったことを反省点として挙げた。

 自身としては2年ぶりの対戦となった強豪スロベニアについては「東京オリンピックのときから感じていましたが、どのチームよりもディフェンスの裏をかくスキルが高く、一人ひとりのパス、カッティング、ドリブルスキルも高かった」と、その強さについて振り返った。

「今日に関してはまったく納得いっていないです」と悔しさを口にした比江島は、チーム全体についても「いい部分はたくさん出ていますが、そのいい部分をもっと長く、40分間継続することがこのチームにまだ足りていない」と課題を指摘。それでも、「そこを直していければチャンスがある」と話し、チームとしてのポテンシャルは感じているようだ。

 富樫勇樹千葉ジェッツ)と同時起用されることが多い比江島は、「ディフェンスから入るのは大前提ですが、得点面でも引っ張っていかないといけないです。富樫と出る機会が多く、2人ともボールが運べるので、よりスピーディーな展開をやっていければと思っています」と語り、ベンチから試合の流れを変える役割も担っている。

 スロベニア戦では5得点に終わった比江島は、「ローテーションや寄りの早さのせいで1対1が難しかった」とその要因について言及。それでも、「ディフェンスで流れをつかめるチームなので、リバウンドからオールコートでズレを生めば、フリーの機会を作れる」と、打開案についても触れた。 

「もっと仕掛けて点を取りにいかなければいけないところを、今日に関してはできなかったです。本番では3ポイントシュートやドライブ突破でチームの助けになれるように、切り替えてやっていきたいと思います」

 スロベニア戦を総括した比江島は、「自分も長く(代表活動を)やってきていますが、世界に対して1勝もできていないことが心残りです。このチームならそれが達成できると信じているので、1勝と言わず2勝、3勝して、パリオリンピックへの切符をつかんで、みなさんと勝利を分かち合いたいと思います」と、迫るワールドカップ本番へ向けて力を込めた。

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