迫るワールドカップへ意気込みを語る富樫勇樹と馬場雄大「日本バスケの歴史を変えたい」

　8月19日、有明アリーナで「SoftBank CUP 2023（東京大会） バスケットボール男子日本代表国際強化試合」が行われ、日本代表（FIBAランキング36位）はスロベニア代表（同7位）と対戦した。

　試合は第1クォーターこそ5点ビハインドの接戦だったものの、第2クォーターから徐々に点差をつけられ、2ケタのリードを許すことに。世界トップレベルのチームを相手に、後半でも試合の流れをつかむことはできず、最終スコア103－68で敗れた。

ルカ・ドンチッチ（ダラス・マーベリックス）について、富樫は「本当に違うレベルでプレーしていた印象です」と脱帽した[写真]＝伊藤大允

　キャプテンの富樫勇樹（千葉ジェッツ）は試合後の会見で「このチームのスタイルだと、外のシュートが入らなかったら今日のような試合展開になってしまいます。ノーマークで打てる場面も多かったですが、3ポイントが入るか入らないかはワールドカップでも大きく結果に影響してくると思うので、もう決める以外はないのかなと」と悔しい敗戦を振り返った。

　放った46本の3ポイントのうち、決まったのはわずか10本にとどまり、成功率も21.7パーセントと低迷した日本代表。チーム最多の13得点を挙げた馬場雄大は、「オフェンス面ではやっぱりノーマークのショットを決めていかないといけないです。それでもディフェンスでは収穫があったと思います。攻撃的な守りからプレッシャーをかけてターンオーバーを誘うのは僕たちがやりたいことですし、そこからいい展開も生まれたので、本番までに精度を上げていきたいです」と語り、ディフェンス面では手応えを感じた時間帯もあったようだ。

スロベニア戦では攻防両面で存在感を示した馬場[写真]＝伊藤大允

　また、馬場は「シュートはメンタル次第です。僕も含めて少し迷って打っている選手もいるので、そこはもう気持ちかなと思います」と語ると、チーム最多3本の3ポイントを沈めた富樫は、「自分が直前のプレーでミスをしていたとしても、常にシュートの準備と自信を持っていることが一番大事だと思います」と力説。ハーフタイムにはトム・ホーバスヘッドコーチから「ちょっと固いよ。3ポイントは強みなのだから、もう少し楽しみながらリラックスして」と言われたことを明かし、「選手それぞれが今日の反省を生かして本番を迎えないといけない」と気を引き締めた。

「日々の積み重ねだと思うので、それを信じて昨日より明日上手になると。もうそれの繰り返しかなと思います」と語った富樫は、「ケガ人がでたり、なかなか（渡邊）雄太（フェニックス・サンズ）と一緒に強化試合を重ねることができなかったですが、今いるこのメンバーでベストを尽くして、何としてでもパリオリンピックへの切符をつかむためにやっていきたい」と力を込めた。

キャプテンとして自身初となるワールドカップへ挑む[写真]＝伊藤大允

　さらに、「苦しい時間帯にハドルを組むとか、倒れてる選手に歩み寄るとか、個々ではなくてもっとチームとして総合力で戦っていきたい」と話す馬場も、「もうここまで来た以上、あとはやるだけなので、アジア1位になってパリオリンピックの出場を決めて、日本バスケの歴史を変えたいと思います」と意気込みを語った。

　ついに目前まで迫った「FIBAワールドカップ2023」。日本代表は1次ラウンドで、25日にドイツ（同11位）、27日にフィンランド（同24位）、29日にオーストラリア代表（同3位）と対戦する。