日本代表・富樫勇樹は試合運びを反省…アクシデントにも言及「仕方がないところ」

　8月15日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」に出場する男子日本代表（FIBAランキング36位）は、有明アリーナで行われた国際強化試合「SoftBank CUP 2023 東京大会」アンゴラ戦に75－65で勝利。試合後にキャプテンを務める富樫勇樹（千葉ジェッツ）が取材に応じた。

　前半はアンゴラのディフェンス網に苦しみ、第2クォーター残り4分をきったタイミングで最大10点差まで離される場面もあったが、富樫、井上宗一郎、吉井裕鷹が立て続けに3ポイントシュートを決め、わずか2分ほどで1点差まで猛追。渡邊雄太が負傷退場するアクシデントもあったなか、第3クォーター終盤に試合をひっくり返し、強化試合3連戦の初戦を白星で飾った。

　強化試合に臨むにあたり、富樫は“勝ち切る”ことの重要性も説いていたが、勝利直後の取材では「前半は一時10点差くらい開いた場面があった。3ポイントで追いついたんですけど、なかなか（ワールドカップ初戦で対戦する）ドイツなどの強豪相手にこれができるかと言われたら、そう簡単ではないと思います。前回大会初戦のトルコ戦（※67－86で敗戦）、僕も皆さんと同じように覚えているので。そこの入りは大事にしていきたい」と振り返り、反省点が残る試合運びだったと話した。

　この試合では河村勇輝にスターターの座を譲ったものの、「トムさん（ホーバス ヘッドコーチ）はスタートどうこうというよりは、ラインナップの中で河村、富永（啓生）の2人を一緒に出すことにメリットを感じていると思う」と語り、チームコンセプトと自身の立ち位置について説明。第1クォーター途中から出場し、終わってみれば18分20秒のプレータイムで、チーム内2位の13得点、同最多タイの4アシストをマークするなど、要所で存在感を示し、「スタートで出ようが控えで出ようが、そのメンバーで仕事をできれば」と、いかなる状況でも役割を全うする構えを示した。

　ワールドカップを目前に控え、チームとしては新たな不安要素も出てきた。第2クォーター途中に渡邊雄太が右足首を負傷し交代。トム・ホーバスHCは「軽い捻挫」と軽症を強調しているものの、17日の強化試合フランス戦は欠場することが決まり、ワールドカップ本番前の貴重な実戦調整に制限がかかってしまった。

　渡邊雄太のケガについて、富樫は「仕方がないところ。みんな一生懸命やっているなかで、（渡邉）飛勇や雄太のケガが起こった。誰かがコントロールできるわけじゃないので」とコメント。「できるだけ多くの時間をベストメンバーでプレーすることが一番の準備になることはわかっているので、なかなか厳しい状況だとは思いますけど、雄太なしで1カ月半、練習と試合をしてきていますし、今日の川真田（紘也）を見てもわかる通り、あれだけ成長している選手もいる。雄太は怪我を治して本戦には100パーセントでやってくれると思うので、チームを信じて、いまのバスケットを信じていきたい」と前を向いた。