2023.08.14

「誰よりも彼のショックが大きい」渡邉飛勇の代表離脱に富樫勇樹、渡邊雄太らコメント

無念の負傷離脱となった日本代表・渡邉飛勇[写真]=伊藤大允
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 8月14日、日本バスケットボール協会は、15日から有明アリーナで行われる国際強化試合3連戦「SoftBank CUP 2023(東京大会)」の日本代表(FIBAランキング36位)登録メンバー12名を発表した。

 今回発表されたメンバーは、あくまで15日のアンゴラ戦、17日のフランス戦、19日のスロベニア戦へ向けたメンバーだが、14日の練習後に取材に応じた日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチは、12日の練習試合で負傷した渡邉飛勇琉球ゴールデンキングス)について、「肩」を負傷したと具体的な箇所を明かし、「飛勇は怪我でもうできない」とコメント。8月25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」には出場できないことを明言した。

 チームのキャプテンを努める富樫勇樹千葉ジェッツ)は、「正直、飛勇のケガはチームにとって大きい。ゴール下の部分でかなりの役割を背負っていた選手」と、ホーバス体制の日本代表にとってはキーマンの1人だったことを明かしつつ、「僕たちもそうですけど、本人が一番悔しい気持ちがあると思います。こうなってしまった以上は誰かがステップアップしてやらなきゃいけない。そこはチームとして全員で助け合いながらやっていきたいと思います」とコメント。「彼(渡邉飛勇)の跳躍力だったり、オフェンスでの合わせ、ブロックショット…。彼と同じ選手がいるかといえばそうではないので。川真田(紘也)選手だったり、井上(宗一郎)選手のステップアップだったりが必要になってくると思います」と具体的な選手名も挙げながら、残るビッグマンたちの奮起に期待した。

 富樫と同じガードポジションの河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)も「渡邉飛勇選手がいなくなったことにより、インサイド陣の生かし方は変わってくるかなと思っています。彼の“インサイド力”は力強いものがあるので。選手自体(ディフェンス)を軽く引き寄せれば点数につながっていたところが、これからもっと引きつけないといけなくなるかもしれないし、逆に効率よく点を取るには僕が点を取りにいかないといけないという意識も多少は増えてくるんじゃないかなと。そこの判断は僕としても危機感は持っていますし、バランスは出ている選手を見ながら変えていきたいなと思っています」と語り、渡邉飛勇の戦線離脱が日本代表の戦い方に影響を及ぼすとの見解を示した。

 また、7月末から日本代表の合宿に合流した渡邊雄太(NBAフェニックス・サンズ)は、「飛勇とプレーするのは東京オリンピック以来だった。彼も肘を怪我したり大変な思いをしていたなかで、僕は今回の合宿で彼の成長に一番驚いた」と、その変貌ぶりに言及。「チーム的にもショックは大きいですし、誰よりも彼のショックが大きいと思うんですけど、ケガした後も笑顔で僕らに『頑張って欲しい』と伝えてくれた。僕たちはそういう選手たちの思いや気持ちをちゃんと汲み取って、プレーでしっかりと表現していかないといけないと思います」と、仲間の無念を胸に刻み、世界で戦っていくことを誓った。

 ホーバスHCも「飛雄のケガは大きかった」と今回のアクシデントがチーム作りに影響したことを認めつつ、「井上が色々な仕事をできる」と201センチのパワーフォワードに期待を寄せ、「川真田がこの6週間で上手くなった」と強化合宿期間中に奮闘した204センチのセンターも評価。特に川真田については「プレータイムがすごく増えた。彼すごく自信があるんですよ。彼のプレーや顔を見ていると、もう全然大丈夫」と、日々自信を深めている姿に言葉が弾んだ。

 8月25日に開幕する「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」を目前に控える日本代表は、「SoftBank CUP 2023(東京大会)」で15日にアンゴラ(同41位)、17日にフランス(同5位)、19日にスロベニア代表(同7位)と対戦。日本、フィリピン、インドネシアの3カ国で共催されるワールドカップ本大会では、25日にドイツ(同11位)、27日にフィンランド(同24位)、29日にオーストラリア代表(同3位)と対戦する。

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