2023.08.18

フランスを相手に果敢に攻め立てた比江島慎「アグレッシブにいくことを意識しました」

約15分の出場で13得点を記録した比江島慎 [写真]=伊藤大允
フリーライター

 14分57秒の出場で3ポイントシュート2本を含む13得点。

 8月17日、有明アリーナで行われた「SoftBank CUP 2023(東京大会) バスケットボール男子日本代表国際強化試合」の第2戦。FIBAランキング5位のフランス代表を相手に戦った日本代表(同36位)は70-88で敗れたものの、チーム最年長となる比江島慎宇都宮ブレックス)は、積極的な攻めでチームを盛り立てた。

「前の試合で得点ができなかったので、まずはアグレッシブにいくことを意識しました。練習の感じも悪くなかったですし、(シュートを)打ち続ければ入ると思っていたので、1本目(シュート)が入って、気持ちよく試合に入れたのではないかなと思います」

 試合後のミックスゾーンでは、その活躍に多くの記者に囲まれたが、比江島自身は淡々と試合を振り返った。

 これまでの国際強化試合で対戦したニュージーランド代表(同26位)やアンゴラ代表(同41位)と比べると、フランスは「そこまでプレッシャーをかけてこなかった」という。だからこそ、「スペースがあれば自分の間合いでできるので、落ち着いてやればいけるというのは最後までできたと思います」と、自身のプレーを振り返った。

国際経験も豊富な比江島 [写真]=伊藤大允

 一方で、「前半は明らかに戦えていたと思いますし、日本のいいところを出しつつ、速い展開でやれたと思うのですが、これを40分間継続しなくてはいけないと思います。強い相手は後半からアジャストしてきます。そこで(今日は)自分が第3クォーターで出た時に少し点差が開いてしまったので、控えで出ている身としては、あそこで決めきらなくてはいけないシュートとか、もっとベーシックに考えないといけなかったという反省があります」と、課題も口にした。

 試合は、前半こそ高さと強さで勝るフランンスに食らいついていき、わずか5点のビハインド。だが、後半には決定力の高いフランスに引き離されてしまう展開となった。その点差が開いた後半を「細かいミス、ディフェンスのイージーミスなどからやられてしまいました。このチームはディフェンスからしっかり流れを作っていかないといけないので、相手が(調子を)上げてきたというよりは、自分たちが自滅したという感じだと思います」と、比江島は語る。

 フランス戦を通じ、チームとして、個人として新たに見えてきた課題はある。だが、比江島自身、フランスを相手に果敢にリングに向かってスコアを重ねたことには、「もちろん、自信にしてはいいと思ってはいます」と胸を張る。過去に2度、フランスと対戦していて「相性はいいというイメージがあった」というベテランは、渡邊雄太(フェニックス・サンズ)をケガで欠いての戦いでしっかりと役割を果たした。

 これまでの培ってきたキャリアがなせるような『さすが』といえるプレーを披露した比江島。「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」本番に向けて最後の国際強化となるスロベニア代表(同7位)戦は19日に同じく有明アリーナで行われる。その試合を含め、前回大会や東京オリンピックを経験したスコアラーは、ワールドカップ本番に向けてさらにギアを上げていく。

文=田島早苗

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