いよいよ10月16日より第23回Wリーグが開幕する。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

　第5回は新潟アルビレックス BBラビッツの宮坂桃菜。得点力のあるポイントカードで、昨シーズンは全16試合にスターターとして出場した。5シーズン目を迎える宮坂に、新たにはじまる戦いに向けての意気込みを聞いた。

――コロナ禍での昨シーズンはどのようなシーズンでしたか？
宮坂　個人としては、入団してからずっと同じヘッドコーチのもとでプレーしていたので、ヘッドコーチが変わったことは大きな変化でした。それまでは、どんどんと切り込んでいくことが仕事だったのですが、昨シーズンからは、ガードとしてコントロールする役割も大きくなり、そこが難しいところでもありました。それでも、試合をするにつれて、できるようになってきたという手応えもつかみました。そこは昨シーズン、少し変われたというか、今までと違うプレースタイルでできるようになったと思います。

――チームとしては？
宮坂　インサイドの（ロー）ヤシン（今シーズンよりＥＮＥＯＳサンフラワーズに移籍）のところで点を取っていかないと厳しいところがあったのですが、ヤシンばかりに頼るとヤシンが止められた時に何もできなくなるので、そのためにアウトサイドの選手たちが3ポイントシュートを強みにしようと取り組んできました。確率はそこまで良くはなかったのですが、シーズンを通して3ポイントシュートを打つという意識を持てるようになったと思います。

――今シーズンはどういったスタイルで戦いたいですか？
宮坂　昨シーズン以上に3ポイントシュートの確率を良くすることもそうですし、スピードのある選手もたくさん加入しているので、オフェンスとディフェンスの切り替えの早さを追求しながら戦いたいです。速さで相手とのズレを作ることが大事になるかなと思いますね。昨シーズンよりサイズが小さいので、どれだけ速く走れるかなどを練習ではひたすら繰り返しています。

――個人的に強化してきたことは？
宮坂　昨シーズンは1番ポジションをやることが多かったのですが、今シーズンは1番ポジションの選手が何人か入ってきたので、2番をやる可能性もあります。走らないといけないポジションなので、40分間走れる体力を付けることは心掛けているし、動きながらの3ポイントシュートも意識して練習しています。

――今シーズンで5年目（アーリーエントリーのシーズンを除く）、チームを引っ張る立場ですね。
宮坂　昨シーズンからずっとスターターとして試合に出させてもらっています。今シーズンは新人選手が多いし、在籍年数では一番上にもなるので、背中で引っ張りたいと思っています。

――今シーズンは、ミニバスから高校までチームメートで、一学年上の先輩でもある藤岡麻菜美選手（シャンソン化粧品シャンソンVマジック）が復帰しました。
宮坂　びっくりしました。チームの勝ち負けもそうですが、マッチアップでも負けたくないですね。でも、復帰してくれてうれしいです。同じミニバスや同じ高校の選手は一人でも多くいてくれた方がうれしいし、私としては、引退する方が驚きだったので、「戻ってきてくれた」という印象です。

――シーズンでの抱負をお願いします。
宮坂　得点源のヤシンやシャル（千葉歩/シャンソン化粧品へ移籍）たちが抜けたことは大きい穴だとは思います。その代わりを誰か一人が点を取るのではなく、みんなで点を取れるようなチームになりたいと思っています。そのためにも、私が率先して点を取って、引っ張っていきたいです。

宮坂は、様々な面でチーム浮沈のカギを握る存在[写真]＝Wリーグ

取材・文＝田島早苗