Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
気が付けば4月。習い事や資格挑戦、ダイエットなどチャレンジには相応しい季節だが、バスケ界にも新たな試みに臨む選手が登場。スポーツ界でもにわかに注目を集めている。越谷アルファーズに所属し、優れたゲームメイクと粘り強いディフェンス、そして熱いハートでチームをけん引する畠山俊樹が、二足の草鞋として、埼玉県戸田市にあるSportivo(スポルティーヴォ)戸田のSportivoバスケスクールにて、自身が直接指導する「スキルアップコース」を開校する。
宮城県仙台市出身で現在30歳の同選手は、170センチ70キロのポイントガード兼シューティングガード。バスケットボール選手としては決して体格に恵まれているわけではないが、当たり負けしないフィジカルの強さがあり、積極的かつ粘り強いディフェンスで高さに勝る相手とのミスマッチも苦にしない。畠山は、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)や安藤誓哉(島根スサノオマジック)など多数の名選手を輩出した東北の名将、佐藤久夫コーチが率いる明成高校(現・仙台大付属明成高校)で1年生時よりメンバー入りし、インターハイ、ウインターカップに出場を果たしている。
高校卒業後は青山学院大学へ進学し、全日本大学バスケットボール選手権大会やリーグ戦での優勝にも貢献した。4年生時には2013年関東大学選手権で優勝し、優秀選手賞も受賞。これらの実績を引っ提げて2014年にアーリーエントリー制度で大阪エヴェッサへ入団した。兵庫ストークス(現・西宮ストークス)や新潟アルビレックスBBを経て2020年に越谷へと移籍した。Bリーグ発足後、通算250試合を超える出場を果たし、学生時代からプロで活躍する現在に至る今でもなお一線で貴重な戦力として活躍を続けている。
バスケットボールに限らず、現役選手がデュアルキャリアとして恒常的に指導を行うことは、まだまだ事例は限られる。特にBリーグは試合数も多く、また毎節の試合に向けた自チーム内での戦術確認練習、個々のスキルトレーニングなど選手は多忙を極める。厳しい環境下で自身のコンディションを保つことも容易ではない。第三者的に見ると、ケガもあるだろうし、コンディション不良もあるだろうから、現役選手が子どもたちの指導を行うのは大変だろうと考えるが、畠山は敢えて、現役の今だからこそ、教えることにこだわりたいと言う。
八村や渡邊雄太(トロント・ラプターズ)などの加入もあり、史上最強とも謳われたバスケットボール男子日本代表。しかし、オリンピックでは残念ながら1勝もできず、世界の壁の高さを改めて知ることとなった。この試合を見て改めて畠山は世界との基礎力、ファンダメンタルの差を実感したと語る。プロになった畠山は学生時代に鍛えられた基礎的な技術に加え、スキルコーチから学び取ったファンダメンタルを身に着けてプロの世界でも活躍を続けている。但し、畠山は身体の使い方をもっと小さなときから知っていたら、もっともっと上手くなったかもしれないという気持ちがぬぐいきれないと言う。
畠山は「例えば、ボールを足元で通す技術であるレッグスルーですが、右手からボールを通して、左手の位置はココに。という細かな身体の使い方にも深い意味があります。このことを知っておくだけでも次の動きには大きな差が出てくるのですが、なかなかそこまでを子どもの頃に知る機会はありません」と述べると、「なぜそのスキルが必要なのか、どのような身体の使い方があるのかということを現役である自分が、今プロとして感じていることも含めて子どもたちに伝えることができれば、日本のバスケが世界の壁を超える役に少しは立てるのではないかと考えました」と熱を帯びた口調で語る。
ケガやコンディション不良の際には「コーチなんかやってるからだと言われるのでは?」と少々意地悪な質問を向けると、「もちろん、プロでやっている以上、そのリスクはあると思いますが…」と苦笑しつつ、「それでも今、自分が伝えること、自分ができることを大事にしたいと思いますし、30歳という年齢になってきたからこそ考えられるようになってきたのかもしれませんが、自分を育ててくれたバスケに恩返しがしたいですね」と笑顔で語る。
様々な競技において、その競技特有の微妙な力の伝え方や、感覚はなかなか教えようにも教えられず、教わろうにも教わる機会が限られる。しかし、現役選手からその貴重な感覚と経験を直接教えてもらうことができるとなると、このチャンスを逃す機会はない。Bリーグがスタートして5年が経過し、新たなステージへと進んでいく中で、このような機会を得ることができるようになったことも、プロ化のもたらした恩恵なのかもしれないと考えられないだろうか。
■畠山俊樹の「スキルアップコース」公式サイト
https://sportivo.jp/toda/basket-skillup