まったく新しいチームとしてプレーオフへ
3月25日(現地時間24日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズが、2011-12シーズン以降初となるプレーオフ進出を決めた。
The @sixers are heading to the Playoffs for the first time since 2012! pic.twitter.com/PWz9byTm3c
— NBA TV (@NBATV) March 26, 2018
ここまで42勝30敗でイースタン・カンファレンス4位のシクサーズは、3位のクリーブランド・キャバリアーズとは1.5ゲーム差、5位のインディアナ・ペイサーズとはゲーム差なしというタイトな状況にいるが、今後勝ち星を増やすことができれば、キャブスを追い越して第3シードに入ることも決して不可能ではない。
前回プレーオフに出場したチームにおいて、現在もシクサーズに所属する選手は皆無。当時のダグ・コリンズHCをはじめ、主力だったアンドレ・イグダーラ(現ゴールデンステート・ウォリアーズ)、ルー・ウィリアムズ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)、サディアス・ヤング(現インディアナ・ペイサーズ)は移籍し、まったく新しいチームとしてシクサーズはプレーオフ出場を決めた。
チームの中心はジョエル・エンビードとベン・シモンズ。前者は今年のオールスターで堂々スターターを務めた才能あふれるビッグマンで、後者は208センチの長身でポイントガードを務める大物ルーキー。さらにダリオ・シャリッチ、ロバート・コビントン、TJ・マッコネルといったサポーティングキャストがおり、今季から加入したJJ・レディック、アミア・ジョンソンというベテランの存在も大きい。シーズン途中には、2014年にサンアントニオ・スパーズで優勝経験を持つシューターのマルコ・ベリネリ、攻防両面で平均以上の能力を誇るフォワード、アーサン・イリヤソバを加え、着実にチーム力を上げている。
新人フルツの復帰で戦力増強なるか?
もっとも、このチームを率いるブレット・ブラウンHCは決して満足などしていない。現地メディア『Philly.com』に対して「(プレーオフ出場を決めたことは)私にとって興味をひくものではない。我々はどん欲だからね。もっと多くのものを欲しがってしまうんだ」とコメントしている。
とはいえ、13-14シーズンから指揮官を務めてきたブラウンHCにとって、これまでの道のりは険しいものだった。一昨季(15-16)にはNBA史上ワースト2位となる10勝72敗という屈辱的なシーズンも経験している。それだけに、現有戦力を誇りに思っていることだろう。
実はシクサーズには、プレーオフに向けて秘密兵器がある。昨年のドラフト1巡目全体1位指名で入団したガード、マーケル・フルツだ。右肩の負傷により、序盤の4試合に出場後は治療に専念していたブルツが、ここにきて復帰間近だと複数の現地メディアが報じているのである。今季平均6.0得点ではあるものの、カレッジ時代は得点力に定評があったため、プレーオフまでにチームへ溶け込むことができるのであれば、面白い存在になりそうだ。