2018.04.30

45得点を挙げたレブロンがキャブスを勝利へ導く! イースト準決勝の相手はラプターズ

45得点9リバウンド7アシストを挙げたレブロン[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

残り約30秒にレブロンが決勝レイアップをねじ込む

 4月30日(現地時間29日)、クリーブランド・キャバリアーズ(3勝)とインディアナ・ペイサーズ(3勝)のシリーズ第7戦が、キャバリアーズのホーム、クイックン・ローンズ・アリーナで行われた。

 キャブスはこの試合、これまでの6戦で出場わずか3試合、平均7.8分のプレータイムだったセンター、トリスタン・トンプソンを先発で起用。レブロン・ジェームズケビン・ラブの3人でフロントラインを形成し、最終戦に臨んだ。

 第1クォーター序盤。キャブスはレブロンのレイアップ、トンプソンのショット、ラブの3ポインターが決まり、残り7分43秒に9-2とスタートダッシュに成功する。

 ペイサーズはダレン・コリソンの3ポイントシュートとサディアス・ヤングの得点で2点差まで追い上げると、キャブスはJR・スミスの長距離砲、トンプソンの4連続得点でペイサーズを突き放す。キャブスはレブロンが着実に加点し、31-19でこのクォーターを終える。

 第2クォーター。レブロンの4連続得点でキャブスが14点差に広げると、ペイサーズが反撃開始。ビクター・オラディポとコリー・ジョセフの3ポインター、コリソンの4連続得点で10-0のランを見せ、31-35の4点差まで追い上げた。

 しかしキャブスはラブ、トンプソン、レブロンのショットでペイサーズの追い上げを断ち切り、54-43と、11点リードで試合を折り返す。

15得点10リバウンドをマークし、先発起用に応えたトンプソン[写真]=Getty Images

 後半開始早々。ペイサーズはコリソン、マイルズ・ターナー、オラディポの得点でキャブスを射程圏内に捉えると、第3クォーター残り7分13秒にボーヤン・ボグダノビッチの3ポインターで59-58とし、ついに逆転。

 それでも、キャブスはスミスの3ポインターやジョージ・ヒルのフリースロー、レブロンのショットで主導権を渡さず。オラディポを軸とするペイサーズのオフェンスが続く中、なんとかリードを保ち、76-74と、キャブス2点リードで最終クォーターへ。

 第4クォーター。開始から約2分、ペイサーズが得点できない中、キャブスはヒルがフリースロー3本、ラブが3ポインターを沈めて6連続得点を挙げる。

 残り9分28秒でドマンタス・サボニスのダンクが決まってようやくこのクォーター初得点を挙げたペイサーズ。その後もターナーやオラディポのショットで追い上げを図ったものの、キャブスとの差はなかなか縮まらない。それでも残り50.1秒、ペイサーズはオラディポのレイアップで4点差(96-100)まで追いつく。

 ペイサーズとしては、逆転する最大のチャンスとなったものの、カイル・コーバーのアシストからレブロンがレイアップを決めて6点差とされ、万事休す。最終スコア105-101でキャブスが勝利し、約2週間続いた激戦に終止符が打たれた。

コーバー(右)の弾丸パスからレブロン(左)がレイアップを沈め、ペイサーズにとどめをさした[写真]=Getty Images

今季大躍進を遂げたペイサーズの未来は明るい

 キャブスではレブロンがゲームハイとなる45得点に加え、9リバウンド7アシスト4スティールと文句なしのパフォーマンス。トンプソンが5本のオフェンシブ・リバウンドを含む10リバウンドに15得点、ラブが14得点、スミスが11得点をマーク。ベンチからは、背中のけいれんなどにより、ここ3試合を欠場していたベテランのヒルが11投中9本のフリースローを成功させるなど11得点6リバウンド3アシストをマーク。

 惜しくも敗れてしまったペイサーズ。オラディポが30得点12リバウンド6アシスト3スティール、コリソンが23得点、ヤングが14得点10リバウンド4アシスト、ベンチからはサボニスが10得点5リバウンドを奪うも、勝利には一歩及ばず。

 試合後の会見で、レブロンは「チームの勝利を手助けすべく、何でもやってやろうとトライしただけさ」と、ベストを尽くし、見事勝利の立て役者となった。シリーズ平均41.2分に出場し、平均34.4得点10.1リバウンド7.7アシスト1.4スティール1.0ブロックと、縦横無尽の働きでキャブスをシリーズ突破へと導いたのだった。

 一方で、プレーオフ1回戦としては、自身初となる第7戦まで戦ったこともあり、「今は疲れ果てている。トロント(・ラプターズ)についても、明日まで考えることはないだろう。今はまず、家に帰りたいね」と語り、ペイサーズとの長いシリーズを終えた。

 「信じられない。彼(レブロン)はいつもこなしていることをやっていた。別にショッキングなことではない。彼は世界のベストなプレーヤーだからね。僕は今、彼のレベルまで近づけるように、もっと成長しなきゃならないと思ってるよ」とオラディポ。シリーズ途中、シューティングスランプに陥ることがあったとはいえ、平均22.7得点8.3リバウンド6.0アシスト2.4スティールという立派な成績を残したと言っていいだろう。

 負けてしまったとはいえ、今季のペイサーズは予想外の躍進を見せた。「僕らがこの場にいるだろうだなんて、誰も思っていなかったはずだ」とオラディポが語ったように、今季のペイサーズがプレーオフ進出、しかもイースト5位に入ると予想していた者は皆無に等しい。

最終戦で30得点12リバウンド6アシストの活躍を見せたペイサーズのエース、オラディポ[写真]=Getty Images

 シーズンをとおしてこのチームでプレーしてきたランス・スティーブンソンは「このチームは最高だ。俺たちは毎晩、コート上にすべてを持ち込んできた。シーズン中、皆がポジティブな姿勢を崩さずにここまでやってきたんだ。将来は明るいね」とチームを称賛。

 今年3月に加入したベテラン、トレバー・ブッカーが、両チームを的確に表現していたので紹介したい。

 「正直なところ、俺たちのほうが良いチームだったと思ってる。彼らには、世界最強選手(レブロン)がいたということさ」。

 キャブスは、今季イーストトップの59勝を挙げたトロント・ラプターズが待ち受けるカンファレンス・セミファイナルへ勝ち進んだ。シリーズ初戦は5月2日(同1日)と、中1日しか空いていない。ラプターズはホームのエア・カナダ・センターで絶対の自信を持っているだけに、キャブスはこの日見せたように、複数の選手が2ケタ得点するようなオフェンスでラプターズに挑みたいところだ。

BASKETBALLKING VIDEO