1回戦でつかんだ好リズムを保持したセルティックス
5月1日(現地時間4月30日)、ボストン・セルティックスとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス・セミファイナル第1戦が、セルティックスのホーム、TDガーデンで行われた。
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セルティックスは4月29日(同28日)にミルウォーキー・バックスとのシリーズ最終戦を勝利で飾ったことで、チームに良いリズムが生まれていた。対するシクサーズは、マイアミ・ヒートを25日(同24日)に行われた第5戦で制したことで、約1週間も試合から遠ざかっていた。試合後の会見でブラッド・スティーブンズHC(セルティックス)が語った“リズム対レスト(休息)”の対決は、セルティックスへプラス要素をもたらした。
試合序盤。シクサーズはダリオ・シャリッチの先制点から始まり、ジョエル・エンビード、JJ・レディックの得点でリードを奪うも、セルティックスの反撃に遭い、主導権を握られてしまう。
第1クォーター途中から、セルティックスはジェイソン・テイタム、アル・ホーフォード、テリー・ロジアーらが加点。それでもシクサーズは、ベン・シモンズやアーサン・イリヤソバ、マルコ・ベリネリのショットで追い上げ、22-25の3点ビハインドでこのクォーターを終える。
第2クォーター序盤。シクサーズはレディックとエンビードの活躍でリードを奪うと、セルティックスも応戦し、リードが入れ替わる展開となる。しかし、このクォーター中盤から、セルティックスはホーフォードの活躍で10-0のランを見せ、シクサーズを突き放しにかかる。
シクサーズがシモンズとエンビードのショットで得点を伸ばすも、セルティックスはテイタムやロジアー、ホーフォードのショットでリードをキープ。前半を終えて56-45と、セルティックスが11点をリード。
後半早々、レディックのフリースロー3本とエンビードのショットで5連続得点を挙げたシクサーズが一気に6点差まで詰め寄った。するとセルティックスは、ハムストリング負傷により欠場したジェイレン・ブラウンに代わって先発出場したマーカス・スマートが3ポイントシュートをヒット、ロジアーの3ポインターも続き、点差は再び2ケタへ。
その後シクサーズは6点ビハインドまで持ち込むものの、それ以上縮めることができない展開が続く。そして第3クォーター残り40.9秒。マーカス・モリスがショットを外すも、エンビードとのリバウンド争いをスマートが制し、エンビードのファウルを誘って3ポイントプレーを完遂。セルティックスは87-70と大量17点のリードを手にした。
だがシクサーズはあきらめなかった。第3クォーター残り約30秒間にレディックが5得点、第4クォーター序盤にエンビードのダンクとベリネリのフリースロー2本で79-87と、8点差まで追いつく。
そこでセルティックスを勢いづけたのは、ロジアーとホーフォードだった。まずはロジアーが5連続得点を挙げて再びリードを広げる。粘るシクサーズが1ケタ得点差まで迫ると、ホーフォードがジャンパーや長距離砲を決めた。特に試合時間残り5分32秒で決めた3ポインターは、この試合の決定打といってもいいほど、シクサーズに大きなダメージを与える貴重な追加点となった。
その後シクサーズは点差を1ケタまで戻すことができず、最終スコア117-101でセルティックスが勝利。得点源のブラウン不在ながら、シクサーズ相手にシリーズ先勝を飾ったのだった。
約1週間のブランクが響いたシクサーズ
セルティックスでは、ロジアーがプレーオフのキャリアハイを更新する29得点に8リバウンド6アシスト、テイタムが28得点、ホーフォードが12投中10本のショットを決めるなど26得点7リバウンド4アシストと3選手が26得点以上を挙げた。スマートが9得点9アシスト、モリスがベンチから11得点をマーク。
この試合のセルティックスは、3ポイントシュートが絶好調だった。ロジアーの9投中7本成功を筆頭に、チーム全体で35投中17本を決め、成功率48.6パーセントという高確率を残したことも、勝利の要因となった。
敗れたシクサーズは、エンビードがゲームハイの31得点に13リバウンド5アシスト、レディックが20得点を記録。シモンズが18得点7リバウンド6アシストを残すも、セルティックスのディフェンスに苦しみ、ターンオーバーを7本も犯してしまった。
ほかでは、シャリッチが12得点7リバウンド4アシスト、ベンチスタートのベリネリが11得点を挙げている。しかし、チーム全体でフィールドゴール成功率42.2パーセント、3ポイントシュート成功率は19.2パーセントと不調。
試合後の会見で、「(今日の試合は)我々のゲームではない。我々にとって、今夜は良くないゲームだった」とブレット・ブラウンHC(シクサーズ)が悔やんだ。
「俺たちはNBAプレーヤー。だから何事にも準備していなければならない。だが、今夜はそれができていなかった」とエンビード。ゲームハイの31得点を挙げたものの、チーム全体としてはまだまだだということなのだろう。ただし、「(ボストンのファンよりも)俺たちのファンの方が騒がしいと思うね」と挑発じみた発言を残すなど、ところどころに闘争心を垣間見せていた。
一方、自身の活躍もあって見事勝利を収めたロジアーは「まるで夢がかなったみたいだ。これからもこの調子をキープしていきたいね。今はすべてにおいて自信を持っているんだ」とコメント。
「ジェイソン(・テイタム)とテリー(・ロジアー)が今日のようなプレーをしてくれて、見ていてとてもうれしいよ。僕らのチームにとって、ものすごく大きいことだ」と語ったのはホーフォード。現在欠場しているウラウンについても「彼は競争心旺盛な男だから、コートに出て、いつもどおりのことをこなすことができるのかもしれない。でも、彼にとって最も重要なのは健康さ。だから彼にはこう話したんだ。『僕たちは、君に今すぐにでも戻ってきてほしいと思ってる。でも僕らは長い間ずっと一緒にプレーしたいんだ。だから健康になってから戻ってきてほしい』ってね。コンディションの回復に何日か費やすと思うけど、4日(同3日)には復帰できるんじゃないかな」とブラウン復帰に期待を寄せている。
シリーズ第2戦が行われるのは4日(同3日)。もしブラウンが復帰となれば、セルティックスにとって追い風となるだろう。シクサーズとしては、普段のリズムを取り戻し、アウェーで1勝しておきたいところだ。