ヒートに初優勝をもたらした最大の功労者ウェイド
先日、中国リーグ(CBA)の浙江ゴールデンブルズが、ドウェイン・ウェイドに対して3年2,500万ドルのオファーを提示していると、複数の現地メディアが報じた。
キャリア15シーズン目を終えた36歳のウェイドは、今夏制限なしのフリーエージェント(FA)となっており、昨季途中にクリーブランド・キャバリアーズから古巣のマイアミ・ヒートへ移籍するも、「今後の去就は夏にじっくり考える」と口にしており、現役引退というウワサも流れていた。
これまでのキャリアで、ウェイドは2006年の初優勝を含めて計3度の優勝、06年のファイナルMVP獲得をはじめ、オールスター選出12度、オールNBAチーム選出8度、オールディフェンシブチーム選出3度といった数々の功績を残してきたレジェンド。
ウェイドは昨季、ベンチスタートがほとんどを占めており、主要成績(平均22.9分11.4得点3.8リバウンド3.4アシスト)の多くは自己ワーストに終わった。今のウェイドに毎試合20得点を期待するのは酷と言っていいのかもしれない。
それでも、豊富な経験とスキルを兼備したこのベテランは、チームに勝利をもたらすことができ、クラッチショットを自らの右手で決め切るなど、勝負強さは健在だ。
低年俸しか提示できないヒートとの再契約ではなく、中国リーグ移籍の可能性も十分
7月29日(現地時間28日)、ヒートのバスケットボール運営部門代表を務めるパット・ライリーは、現地メディア『AP』へこんな言葉を残している。
「彼(ウェイド)には選手として戻って来てほしい。競争者としてもね。私は『ドウェインがすでにやり終えた、ステップが衰えた、かつてのウェイドではない、同じモチベーションで臨むことができないだろう』といった記事をいくつも見てきた。だが、私は彼が本当に望むならば、多くの面でチームに貢献できる選手だと見ている」。
昨季終了後、「NBAに戻るならばヒート以外にありえない」と語ったウェイド。今季の所属先は、中国リーグか、ヒートの2択になったというのが現状だろう。
だがヒートにはサラリーの面で問題がある。現時点でチームの総年俸が1億4,579万ドルに膨れ上がっているため、ウェイドに提示できるオファーはベテラン最低保証額となる240万ドル、または530万ドルの例外条項しかない。
16年夏にも、サラリーの面でフロントと衝突してシカゴ・ブルズへ移籍した経緯があったことを考えると、同様のことが再び起きたとしても決して不思議ではない。
また、今月中旬にウェイドは中国のシューズメーカー、Li-Ning(リーニン)と生涯契約を結んでいることを加味すると、近い将来中国リーグでプレーする可能性は十分あると言っていいだろう。