2018.06.27
2018年のプレーオフが幕を開けてから約10日。イースタン・カンファレンス、ウエスタン・カンファレンスから出場したそれぞれ8チームが連日激しいゲームを繰り広げている。
8カードのうち、4月25日(現地時間24日)を終えた時点で3つのカードが終了。残り5つのカードのうち、3つでいずれかのチームがシリーズ突破へ王手をかけており、ファーストラウンドも終わりに近づこうとしている。
そんな中、プレーオフ敗退によってシーズンを終えたベテランたちの去就に注目が集まっている。マヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ)とドウェイン・ウェイド(マイアミ・ヒート)だ。両選手は「来季もプレーする」ということを語っていなかったからだ。
とはいえ、ジノビリとウェイドが今年のプレーオフで見せたパフォーマンスは、称賛に値するレベルだったことは間違いない。
ジノビリが所属するスパーズは、25日(同24日)に行われたゴールデンステート・ウォリアーズとのシリーズ第5戦で、ウェイドがプレーするヒートは同日、フィラデルフィア・セブンティシクサーズとのシリーズ第5戦に敗れて1回戦敗退に終わった。
今季でキャリア16シーズン目、40歳のジノビリはウォリアーズとのシリーズで平均21.3分9.0得点3.0リバウンド3.2アシスト1.4スティールをマーク。ベンチからチームにエナジー、そして豊富な経験と知恵を持ち込み、チームの中心選手として活躍。
特にチームが3連敗と後がない状況で迎えた第4戦。ジノビリは第4クォーター残り約6分間で挙げた10得点を含む計16得点5アシストを奪う大活躍を見せ、スパーズに貴重な1勝をもたらし、勝利の殊勲者となった。
今季でキャリア15シーズン目、36歳のウェイドも、ヒートがシリーズで唯一勝利を収めた第2戦で、ベンチスタートながらゲームハイの28得点、さらに7リバウンド3アシスト2スティールを奪取。試合残り47.0秒には、ヒートのリードを8点へと広げる決勝弾を沈めている。
ウェイドはシリーズ平均でも25.5分16.6得点4.2リバウンド3.6アシスト1.4スティールという好成績をマーク。平均得点はチーム2位と、プレーオフという大舞台で自身の存在感を証明してみせた。
ちなみに、ジノビリはここまで、プレーオフでベンチスタートながら2,000得点というNBA史上初の記録を持っている。また、『San Antonio Spurs PR』によると、ベンチスタートの選手として、ジノビリは得点だけでなく、リバウンド、アシスト、スティール、フィールドゴール成功数、3ポイントシュート成功数、フリースロー成功数で歴代トップを誇っているという。
また、『ESPN Stats & Info』によれば、ジノビリは4度以上のNBA優勝、そしてオリンピックにおける金メダルを獲得した史上8人のうちの1人であり、唯一のアメリカ以外の出身選手(アルゼンチン)となっている。
ウェイドは25日(同24日)終了時点で、プレーオフの通算得点は歴代10位(3,954得点)、フィールドゴール成功数では歴代13位(1,450本)にランクイン。さらに、フランチャイズ史上では得点、リバウンド、アシスト、スティール、フィールドゴール成功数、フリースロー成功数、出場時間、出場試合数、先発出場試合数、ディフェンシブ・リバウンド、2ケタ得点試合数など、多岐にわたる項目でトップを保持。
幸いにも、シリーズを終えた彼らの口から、引退を明言することはなかった。来季の去就について、「決めかねている」というのが正直なところだろう。
NBAのシーズンは長い。約6か月にも及ぶレギュラーシーズン、そして同じ相手と何度も戦うプレーオフがあり、ファイナルまで勝ち抜けば、その期間は約8か月になる。
自身のコンディション管理もそうだが、1シーズンをとおしてプレーするためのモチベーションをどのように維持していくかも、彼らが現役を続行するうえで重要なポイントとなってくる。
モチベーションに関しては、彼ら自身が決断するものの、彼らが見せるプレーの質に関しては、まだまだ十分通用することは周知の事実。
“One More Year(あともう1年)”。せめてもう1シーズン、ジノビリとウェイドというNBA史に名を残すレジェンドたちのプレーを、堪能したいものである。
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