ロケッツに不可欠な選手へと成長を遂げた24歳のビッグマン
今夏制限付きフリーエージェント(FA)だったクリント・カペラは、NBA入りから4シーズンをプレーしてきたヒューストン・ロケッツと7月下旬に5年9,000万ドルで再契約を結んだ。
これにより、昨季約233万ドルだった年俸は、今季1,500万ドル以上に高騰。スイス出身のビッグマンは、優勝候補ロケッツにおいて、クリス・ポール、ジェームズ・ハーデンに次ぐチーム3番手の平均年俸を手にすることとなる。
そのカペラについて、現地メディア『The Athletic』が9月5日(現地時間4日)にコメント付きの記事を掲載していたので紹介したい。
24歳のカペラは今季、オールスター入りを確信しているようだ。
「僕は(昨季、オールスターに)てっきり選ばれるものだと思ってたんだ。でも、(選ばれなかったことに対して)不満を言ったりはしなかった。一貫性を保ち続けることができるかどうかなんだと思う。だから昨季のような働きをしていくことができれば、来年こそオールスターになれるだろう」。
昨季リーグトップの65勝を挙げたロケッツにおいて、カペラは74試合すべてに先発センターとして出場。平均27.5分13.9得点10.8リバウンド1.9ブロックに加え、リーグトップの65.2パーセントというフィールドゴール成功率をマークした。ロケッツにおいて、カペラは不可欠な選手へと成長したのである。
リーグベストのセンターを目指し、自身のプレーに幅を持たせていくカペラ
とはいえ、リザーブでオールスター選出を果たすには、各チームのヘッドコーチによる投票で並みいるライバルたちよりも高い評価を得なければならない。
昨季ロケッツが所属するウエスタン・カンファレンスのフロントコートの選手でオールスターのリザーブに選出されたのは、ラマーカス・オルドリッジ(サンアントニオ・スパーズ)、ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステート・ウォリアーズ)、カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)の3選手。攻防兼備のオルドリッジはスパーズをけん引し、グリーンは多方面に渡ってウォリアーズに貢献、タウンズはデビューから3シーズン連続で平均18得点10リバウンド以上を残しており、ここ2シーズンは平均21得点12リバウンド以上をマーク。
もしカペラがこの中に入り込むとすれば、タウンズを上回る評価を得ることがマストになるだろう。ハーデン、ポールに次ぐ活躍をシーズン開幕から見せつけること、ロケッツがリーグトップレベルの成績を残すこと、そしてカペラ自身がなるべくケガなどで欠場しないようにすることが求められる。
ただし、カペラが選手として目指しているのはオールスター選出ではない。この男が狙うのは、リーグベストと呼ばれるセンターの座だという。
「バスケットボールプレーヤーとして、僕は絶対に(ベストセンターに)なれないとは言わない。ほかの選手たちが自身のプレーをさらに伸ばしていくように、僕も自分のプレーを広げていくんだ」。
1995年以来の優勝を目指すロケッツにおいて、リング下で相手チームに脅威を与えるカペラ。リーグベストのセンターになるためにはフリースロー成功率(キャリア平均48.2パーセント)の改善をはじめ、まだまだ乗り越えるべき壁は多いものの、着実に成長を続けてほしいものである。