昨季のNCAAで二冠を達成したヤングがキャブス一蹴の殊勲者に
10月22日(現地時間21日)、アトランタ・ホークスとクリーブランド・キャバリアーズの試合がキャブスのホーム、クイックン・ローンズ・アリーナで行われた。
両チームとも開幕2連敗を喫する中、このホークス戦はホームのキャブスにとって何としてでも勝利しておきたい試合だった。
ところが、約2万人が集まったキャブスのホームで、新進気鋭の新人がスポットライトを独占した。男の名はトレイ・ヤング。昨季オクラホマ大1年としてNCAAで得点とアシストの2冠に輝いたヤングが超絶パフォーマンスを見せて、133-111でホークスに今季初勝利をもたらしたのである。
ヤングはニューヨーク・ニックスとの開幕戦で14得点5アシスト、メンフィス・グリズリーズとの2戦目で20得点9アシストと徐々に調子を上げていたのだが、キャブス戦ではルーキーとして史上有数の数字を残してみせた。
この日のヤングは23本のショットを放って13本成功。3ポイントも14投中6本をリングに突き刺し、フリースロー3本すべてを決め切る抜群のシュートタッチでゲームハイの35得点に加え、両チームトップの11アシストを記録し、チームメートの得点機会も演出。
ドラフト後にヤングは「僕はものすごい自信を持っている」「ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の持つ3ポイントの1試合最多成功記録を塗り替えたい」といった大胆な発言で目立っていたのだが、3試合目にして自身の価値を証明したと言っていいだろう。
ホークス戦を終えたヤングは『AP』へ「コーチ(ロイド・ピアースHC)にとってこれが初勝利になったね。今日はとても良かったよ。(ショットを)決めてやろうと思っていたんだ」と語り、自身の初勝利を喜んだ。
新人としては歴代有数の快挙、カリーが持つ1試合最多3ポイント成功数を狙う
ルーキーとして35得点10アシスト以上を挙げたのは、2010年のカリー以来初の快挙。『ESPN Stats & Info』によると、直近25シーズンではカリーのほかにレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)しか残していない偉業となった。
さらに、開幕3試合以内で30得点10アシスト以上を挙げたヤングは、アイザイア・トーマス(元デトロイト・ピストンズ)に次ぐ史上2人目の快挙も達成。トーマスは1981年10月31日(同30日)のデビュー戦で31得点11アシストを挙げており、バスケットボール殿堂入りを果たしたレジェンドとヤングは肩を並べた。
ヤングの真骨頂と言えば、やはり3ポイントラインから離れたエリアからでも難なく決めることができるシュート力。ここまでチームトップの平均23.0得点8.3アシストを記録しており、ルーキーながらチームトップのスコアラーとなっている。
今後数年以内、いやもしかすると今季中にカリーが持つ1試合最多の3ポイント成功数(13本)に肉薄するゲームを披露してくれるかもしれない。
なお、カリー擁する2連覇中の王者ウォリアーズとヤングが所属するホークスの今季初戦は11月14日(同13日)。戦力面ではホークスが圧倒的に不利なのは否めないものの、両者による直接対決は大きな注目を集めることになりそうだ。