トレードデッドラインを前に、バックスやキングス、マーベリックスらがトレードを断行

マブスからキングスへトレードとなったハリソン・バーンズ[写真]=Getty Images

 2月8日午前5時(現地時間7日の東部時間午後3時)のトレードデッドラインを前に、NBAでは複数のチームがトレードを成立させた。

 ここでは、現地時間6日に成立したフィラデルフィア・セブンティシクサーズとロサンゼルス・クリッパーズとのトレード(昨日掲載)を除いたものを紹介していこう。
※チーム名は略称、成績は現地時間5日終了時点、G=ガード、F=フォワード、C=センター

<バックス⇔ピストンズ>
■バックス獲得
スタンリー・ジョンソン(F)

■ピストンズ獲得
ソン・メイカー(C)

両選手にとってメリットのあるトレード

 リーグベスト(39勝13敗)の戦績を残すバックスは、レギュラーシーズン終盤戦、そしてプレーオフに向けてタフなディフェンダー、ジョンソンを獲得。一方、メイカーはDJ・ウィルソンの台頭でプレータイムが減少していたため、ピストンズで心機一転を図りたいところ。なお、ジョンソンは今季終了後に制限付きフリーエージェント(以降FA)、メイカーは来季終了後に制限付きFAとなる。

バックスは屈強な肉体を誇るディフェンダー、ジョンソンを手に入れた[写真]=Getty Images

<レイカーズ⇔ピストンズ>
■レイカーズ獲得
レジー・ブロック(F)

■ピストンズ獲得
スヴィアトスラフ・ミカイリュク(F)
将来のドラフト2巡目指名権

レイカーズが3ポイントシューターを獲得

 今季が契約最終年となるブロックはキャリア6シーズン目の今季、3ポイント成功率38.8パーセント、成功数では平均2.6本を記録するシューター。『Second Spectrum』によると、ブロックのキャッチ&シュートにおける3ポイント成功率は39.8パーセントと高確率。この数字はレイカーズの選手の中でトップにランクされるという(試投数50本以上)。一方のピストンズは、昨年ドラフト指名されたミカイリュクとドラフト指名権を獲得。多少のサラリー削減には成功したものの、不可解なトレードだった。

<ヒート⇔サンズ>
■ヒート獲得
ライアン・アンダーソン(F)

■サンズ獲得
タイラー・ジョンソン(G)
ウェイン・エリントン(G)

ラグジュアリータックスの金額を削減したヒート、サンズはジョンソンに期待か

 今季のヒートは約1億5,833万ドル(約172億5,797万円)と、リーグトップのサラリーだったのだが、このトレードでラグジュアリータックス(贅沢税)をおよそ800万ドル(約8億7,200万円)削減することに成功。サンズは平均10.8得点2.5アシストながら今季約1,925万ドル(約20億9,825万円)と超高額年俸を得るジョンソンを獲得。今季終了後にプレーヤーオプションを破棄すれば制限なしFAになるが、どうなるかは不透明。なお、エリントンは今後解雇され、プレーオフ出場チームと契約することが濃厚だ。

<ブレイザーズ⇔キャバリアーズ>
■ブレイザーズ獲得
ロドニー・フッド(F)

■キャバリアーズ獲得
ニック・スタウスカス(G)
ウェイド・ボールドウィン四世(G)
2021年ドラフト2巡目指名権
2023年ドラフト2巡目指名権

フッド獲得により、ウイングにサイズと得点力を加えたブレイザーズ

 今季終了後に制限なしFAとなるフッドがブレイザーズへ加入。フッドは203センチのスイングマンで、ブレイザーズのウイングポジションにサイズと得点力をもたらすことだろう。一方のキャブスはスタウスカスとボールドウィン四世という2人のガードを獲得。スタウスカスは今季開幕戦で24得点を挙げる活躍を見せたものの、プレータイムと活躍の場は徐々に減少していた。

今季は平均12.2得点を記録しているフッドはキャブスからブレイザーズへ[写真]=Getty Images

<ブルズ⇔ウィザーズ>
■ブルズ獲得
オットー・ポーターJr.(F)

■ウィザーズ獲得
ジャバリ・パーカー(F)
ボビー・ポーティス(F)
2023年ドラフト2巡目指名権

サラリーを削減させたウィザーズ、ポーターJr.は年俸に見合う活躍ができるか?

 ウィザーズはキャリア6年目の主軸ポーターJr.をブルズへ放出。20年夏にプレーヤーオプションを破棄して制限なしFAになることができる権利を持つものの、今季と来季だけで約5,326万ドル(約58億534万円)という超高額契約が残っている。今季の成績(平均12.6得点5.6リバウンド2.0アシスト)はお世辞にも契約に見合っているとは言えなかった。

 対するブルズは昨夏2年4,000万ドル(約43億6,000万円)で獲得したパーカー、今季終了後に制限付きFAとなるポーティスとドラフト指名権を獲得。来季のパーカーの契約はチームオプションのため、これを破棄すればウィザーズは来季のサラリー総額を少し抑えることが可能となる。

<ロケッツ⇔キングス⇔キャバリアーズ>
■ロケッツ獲得
イマン・シャンパート(G-F)
ニック・スタウスカス(G)
ウェイド・ボールドウィン四世(G)

■キングス獲得
アレック・バークス(G)

■キャバリアーズ獲得
ブランドン・ナイト(G)
マーキーズ・クリス(F)
2019年ドラフト1巡目指名権(条件付き)

ロケッツがベテランのシャンパート、キングスはスコアラーのバークスを獲得

 キャブスは数日前にロドニー・フッドとのトレードで獲得したスタウスカスとボールドウィン四世をすぐさま放出。ロケッツは両選手とベテランのシャンパートを獲得。2016年のキャブス初優勝を経験したディフェンダー、シャンパートの経験はプレーオフに向けて重宝することだろう。

 キングスは得点力のあるバークス、キャブスはコンボガードのナイトとビッグマンのクリスとドラフト指名権を獲得。バークスとクリスは今季終了後、ナイトは来季終了後にそれぞれ制限なしFAとなる。

シャンパートは3ポイントとディフェンスを武器に、新天地ロケッツでも活躍が期待される[写真]=Getty Images

<キングス⇔マーベリックス>
■キングス獲得
ハリソン・バーンズ(F)

■マーベリックス獲得
ジャスティン・ジャクソン(F)
ザック・ランドルフ(F-C)

待望のウイング選手を手に入れたキングス、マブスは1週間で先発4人を放出

 昨季までの2シーズン、マブスでトップスコアラーを務めたバーンズが7日(同6日)のシャーロット・ホーネッツ戦の途中にキングスへの移籍が決定。今季をとおしてサイズのあるウイングの選手獲得を狙っていたキングスにとって、兄貴分のバーンズはチームに好影響を与えることだろう。

 一方のマブスは、これでルカ・ドンチッチを除く4人のスターターをこの1週間で放出。ニューヨーク・ニックスとのトレードで獲得したクリスタプス・ポルジンギスとドンチッチのチームへと完全に切り替えた。今季終了後に制限なしFAとなる37歳のベテラン、ランドルフは今季1試合も出場しておらず、バイアウトとなって他チームへと移籍する可能性がある。2年目のジャクソンは伸び悩んでいるものの、マブスで飛躍のチャンスをつかむことができるかもしれない。

<ペリカンズ⇔ウィザーズ>
■ペリカンズ獲得
マーキーフ・モリス(F)

■ウィザーズ獲得
ウェズリー・ジョンソン(F)
2023年ドラフト2巡目指名権

サラリー削減のウィザーズ、モリス獲得はミロティッチらの放出への布石?

 共に今季終了後に制限なしFAとなるモリスとジョンソン。ウィザーズはラグジュアリータックス(贅沢税)を下げるべく、年俸が約250万ドル(約2億7,250万円)低いジョンソンを獲得。一方のペリカンズは、モリスを獲得したことで、ニコラ・ミロティッチ、あるいはジュリアス・ランドルの放出も目論んでいるのかもしれない。

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