不完全燃焼で今季を終えたエースガード、セルティックスとの再契約は微妙
今夏の注目フリーエージェント(FA)の1人として注目を集めるカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)。来季のプレーヤーオプションを破棄して制限なしFAになることが確実視されており、今後の動向が気になる選手なのは間違いない。
今季開幕前、セルティックスで在籍2シーズン目を迎えたカイリーは、ホームのTDガーデンに集まったチケットホルダーたちのイベントで、「何かあったとしても、来年僕はボストンと再契約しようと思っています」と口にし、ファンを大喜びさせた。
ところが、チーム成績が伸び悩むと、今年2月上旬にセルティックスと再契約する意向かどうかを聞かれたカイリーは「7月2日(同1日)にまた聞いてくれ」と『ESPN』へ返答。FA交渉解禁まで、沈黙を守ることとなった。
カイリー擁するセルティックスは、今季イースタン・カンファレンスの優勝候補として有力視されていたものの、終わってみればイースト4位の49勝33敗。プレーオフではファーストラウンドでインディアナ・ペイサーズを4戦無敗で下すも、ミルウォーキー・バックスとのイースト準決勝で1勝4敗と惨敗。
自身4度目となった今年のプレーオフ。カイリーはチームトップの平均21.3得点7.0アシストを挙げたものの、高精度を誇っていたショットはことごとくリムに弾かれてしまい、フィールドゴール成功率38.5パーセント、3ポイント成功率31.0パーセントと不発に終わってしまう。
バックスとのシリーズではフィールドゴール成功率35.6パーセント、3ポイント成功率21.9パーセントと不振。平均20.4得点を残したとはいえ、戦犯の1人と指摘する厳しい声も上がっていた。
そのため、現状でカイリーがセルティックスと再契約を結ぶかどうかは微妙。移籍先候補として、ニューヨーク・ニックスがウワサされているのだが、カイリーが来季所属するチームの候補は、このほかにもあるという。
レブロンとコービーがいるレイカーズ、ラッセル所属のネッツも可能性あり?
5月29日(現地時間28日)、コリン・カウハードの番組“The Herd”へ出演したNBAアナリストのリック・バッチャーは、カイリーの去就についてこう語っていた。
「ブルックリン(・ネッツ)と(ロサンゼルス・)レイカーズのどっちかだ。コービー(・ブライアント/元レイカーズ)本人は否定していたが、彼がカイリーをレイカーズへ勧誘していると聞いたんだ。でもすべてを聞いたうえで、カイリーはブルックリンに行くと思ってる。彼は(ニュージャージー州の)サウス・オレンジに家を購入したからね」。
レイカーズにはクリーブランド・キャバリアーズで共に優勝を勝ち取ったレブロン・ジェームズがおり、コービーはカイリーの尊敬している選手であり、メンター(助言者)でもある。
レブロンと共に再びタッグを組み、尊敬するコービーからアドバイスを受けながら、カイリーが自身2度目の優勝を目指す、というシナリオは十分考えられる。レイカーズにはスーパースターを獲得可能なキャップスペースがあるだけに、両者が意気投合すれば、移籍が実現するかもしれない。
ネッツに関しては、今年オールスターに代替選出されたディアンジェロ・ラッセルが制限付きFAになるのだが、ネッツと再契約することが濃厚。もしカイリーがネッツ入りとなれば、ラッセルとの魅惑のバックコートデュオが形成されることとなる。