「ずっと語り継がれるバスケットボール選手の1人になりたい」とジェームズ・ハーデン

ハーデンが選手としての現在地についてコメントを残した[写真]=Getty Images

「コービーやジョーダン、ウェイドのようなSGとして記憶に残りたいんだ」

 ヒューストン・ロケッツのフランチャイズプレーヤー、ジェームズ・ハーデンは現在、リーグでもベスト5に入る選手として君臨している。

 196センチ99キロという屈強な肉体と抜群のスキルを兼備するハーデンは、変幻自在のボールハンドリングとステップワークを駆使してステップバック3と巧みなフリースロー獲得術で得点を量産。

 3ポイント試投数と成功数はここ2シーズン連続、フリースロー試投数と成功数では5シーズン連続でリーグトップの数字を残しており、昨季は平均36.1得点という圧巻のパフォーマンスで2年連続の得点王に輝いた。

 今夏は片足で放つ3ポイントをレパートリーに加えるべく練習を重ねており、最近では右足、左足の両方から繰り出す動画がSNSで拡散されていた。

 自慢のあごひげだけでなく、独特でクリエイティブなプレーでも魅せるハーデンだが、9月18日(現地時間17日)に現地メディア『Bleacher Report』へ掲載されたインタビューの中で、現状にまったく満足できていないことを明かしていたので紹介したい。

 昨季までのキャリア10シーズンで、ハーデンはシーズンMVP(2018年)、最優秀シックスマン賞(2012年)、7度のオールスター選出、6度のオールNBAチーム、2度の得点王(2018、19年)、アシスト王(2017年)という功績を残してきた。

 だが「俺はまだ、自分が(NBAで)達成したいことの半分も成し遂げていない。複数回の優勝とかだ。ずっと語り継がれるバスケットボール選手の1人になりたいんだ。皆はきっと、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ/優勝5度)やマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/優勝6度)、ドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか/優勝3度)のことを覚えているだろう。俺も彼らと同じようになりたい。複数回の優勝と数々の記録を残して、ベストなシューティングガード(SG)の1人として記憶されたいんだ」とハーデンは言う。

2000年代以降、リーグでトップレベルのSGとして活躍を続けたコービー(右)とウェイド(左)[写真]=Getty Images

「最低1回はロケッツで優勝を勝ち取る方法を見つけ出すだろう」と明言

 ハーデンはオクラホマシティ・サンダーでNBAキャリアをスタート。当時のサンダーにはケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)、ラッセル・ウェストブルック(現ロケッツ)という将来のスーパースターがいたものの、12年のNBAファイナル敗退後、翌シーズンの開幕直前にロケッツへ移籍。ロケッツ加入後では一昨季にカンファレンス・ファイナルへ進出し、ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に3勝2敗とファイナル進出に王手をかけるも2連敗を喫して悔しい経験をしてきた。

「俺はこれまで、ほかの方法で優勝することができていたかもしれない。だから今の時点でチャンピオンシップを手に入れていただろう」とハーデンは振り返る。だが、ハーデンは自身の現在地について後悔してはいないと口にしている。

「ヒューストンにいることができて、俺はいい気分だ。少なくとも1回はチャンピオンシップを勝ち取る方法を見つけ出すことになるだろう。だがこれまでの経験が俺を苦しめることはないだろうね。俺は自分のキャリアについて快適だと感じている」。

ハーデン(左)率いるロケッツは、一昨季にNBAファイナル進出まであと1勝に迫るも、カリー(右)擁するウォリアーズの前に散っていた[写真]=Getty Images

 ロケッツは今季、チームロゴとユニフォームを変更し、新たなスタートを切る。今夏にはクリス・ポールと複数の将来のドラフト指名権をサンダーへ手放し、ウェストブルックをロースターへ加えることに成功。ハーデンとの“MVPデュオ”を形成し、1995年以来の優勝を目指して長丁場のシーズンを戦う。

 29日(同28日)に始まるトレーニングキャンプを前に、「俺はこのチームのフロントオフィスを信頼している。彼らはベストな選手たちを獲得し、この組織の勝利を手助けしてくれるはずだ」とハーデンは語っており、自身初の優勝へ向けて万全の態勢と言っていい。

 10月のジャパンゲームズではハーデン率いるロケッツがトロント・ラプターズと2試合行うこととなる。プレシーズンゲームとはいえ、リーグ有数の実力者たちがさいたまスーパーアリーナで激突する光景は、最高のエンターテインメントになること間違いなしだ。

ジャパンゲームズ最大の注目選手は、何といってもハーデンだろう[写真]=Getty Images

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