2019.08.26

ステップバックを必殺技とするハーデン「偉大なムーブの1つとして継承されてほしい」

過去2シーズンで得点王になったハーデンの次なるステップは?[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

さらなる飛躍を目指すハーデン

 2017-18シーズンから2シーズン連続でリーグの得点王となり、名実ともにいよいよNBAにおける歴史的なエリートスコアラーへと変貌を遂げつつあるジェームズ・ハーデンヒューストン・ロケッツ)。代名詞と言えるステップバックは、スコアリングにおいて無類の強さを誇り、ディフェンスを苦しめてきた。

 オフシーズンの現在、選手たちはそれぞれトレーニングに励んでいるが、ハーデンが今夏の練習で見せた片脚を上げながら、3ポイントを沈めた動画が密かに話題になっていた。

 もともとジャンプシュート時に片脚を上げることで、フェイダウェイの安定性を高めることと、よりディフェンスがシュートチェックしにくい態勢にする、このスキルを初めてリーグに浸透させたのは、昨季限りで引退したダーク・ノビツキ―(元ダラス・マーベリックス)である。

 ノビツキーもまた、21年間“ワンレッグ・フェイダウェイ”というシグネチャームーブを武器に、ミドルレンジを支配して得点を量産。多くの選手たちが彼のムーブを取り入れてきた。そして練習であるにせよ、彼の必殺技を3ポイントシュートでやってみせたハーデンの新たな姿に驚いたファンが少なからずいたことだろう。

昨季はプレーオフでもハーデン(左)のステップバックは驚異的だった[写真]=Getty Images

 現地メディアの『ESPN』によれば、7月に新技の開発を目指しているとコメントしていたハーデンが、ヒューストンでのチャリティーイベント後にインタビューに応じようだ。今後のバスケットスタイル含めて、己の生き方に関しても以下のように述べた。

「常にクリエイティブでありたい。そして常に上を目指していきたいんだ、バスケットボール、人生、ビジネスの観点においても。インパクトのある存在になるための方法を常に模索している。キャリアは11年目となり、毎年うまくなりたいと思っているよ。同じ場所に留まりたくなくて、成長していける方法を見つけて行かなきゃならないんだ」

 また練習中の“ワンレッグ”からの3ポイントを沈めたことに関して、まだ実践で扱えるレベルには到達していないとしながらも、この夏はそのムーブのクオリティを高めることに集中するとし、「確証はないが、何かに取り組んでいることは間違いない」とコメントした。

 またここ近年猛威を振るう自身のシグネチャームーブであるステップバックに関して、ハーデンは、「マイク(マイケル・ジョーダン/元シカゴ・ブルズほか)のフェイダウェイやダークのワンレッグ(フェイダウェイ)、(カリーム・アブドゥル・ジャバー/元ロサンゼルス・レイカーズほかの)スカイフックのように、僕のステップバックが、そういったムーブの1つとして、この先ずっと継承されていってほしいと思う」と述べ、「だから世界を回って子どもたちと出会った時、『ねえ、ジェームズ、ステップバックを習得したよ!』という光景が大好きだよ」と言葉にした。

 NBAの歴史においても、ハーデンが述べたように、その時代を代表するスコアラーたちは、それぞれ独自のムーブを会得することで、スコアリングで支配的な強さを誇ってきた。そしてその技を多くの選手たちが導入したことで、リーグが進化してきたことの事実である。果たしてハーデンのステップバックは、その次元まで辿り着くだろうか。

ジェームズ・ハーデンの関連記事