「昨季の僕は、どこか楽しむことを忘れていたように感じていた」と明かす
フィラデルフィア・セブンティシクサーズが誇る208センチの超大型ポイントガード、ベン・シモンズは今季で3シーズン目を迎える。
オーストラリア出身のシモンズは昨季、平均34.2分16.9得点8.8リバウンド7.7アシスト1.4スティールを記録してオールスターに初選出。今夏はシクサーズとの延長契約に合意し、スターへの階段を着実に上っている23歳だ。
当初、シモンズはオーストラリア代表として「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)に出場することを自身のSNSで語っていたものの、代理人のリッチ・ポールを通じ、今季に集中すべく、辞退することを発表。
W杯が行われていた期間も、今季に向けて練習に明け暮れていたというシモンズは、9月26日(現地時間25日)に『AP』へこう語っていた。
「猛練習に取り組んだことで、僕はゲームへの愛を取り戻すことができたと思ってる。今は自分がどんな選手なのかを感じ取り、ゲームを楽しむことができているよ。昨シーズン、僕はどこか楽しむことを忘れてたように感じていたんだ」と振り返ったシモンズ。
だが「この夏は自分にとって非常に大きな時間だったと感じている。ワークアウトに集中できていたし、バスケットとの恋に落ちたような感じさ。毎日ジムでトレーニングもしていたから、その成果が出ているんだ。シーズン開幕が待ちきれないね」とポジティブに切り替わっていた。
「今季はシクサーズにとってエキサイティングな1年になるだろうね」と言及
シクサーズは過去2シーズンにおいて、シモンズが出場した試合で101勝58敗という好成績を残しており、22度のトリプルダブルを達成。これはニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)と並んでリーグ3位タイという好記録となっている。
その一方で、アウトサイドシュートは相変わらず難があり、これまでのレギュラーシーズンとプレーオフで通算18本の3ポイントを放つも、成功数はゼロ。今夏はアウトサイドシュートの改善にも取り組んだという。
「どんな選手になろうとしているのかは分かってるつもりだ。これからも向上を続けていくよ」と現在進行中であることを示唆したシモンズ。ただし、「これはプロセスであり、時間がかかるものなんだ。でも皆はどうやって磨いてきたかを見ずに、結果だけを見たがるから」とシモンズは口にしており、「辛抱強く待ってほしい」と言わんばかりの姿勢を見せていた。
そしてシモンズは「フィラデルフィアが大好きなんだ。どこにも行きたくはないね。ここは僕にとってパーフェクトな場所なんだと思ってる。(批判があろうと)僕は自分自身で対応するだけさ」と口にし、今季に向けて集中していることをアピール。
シクサーズは今夏、トバイアス・ハリスとの再契約を結んだほか、フリーエージェント(FA)でビッグマンのアル・ホーフォード、トレードでジョシュ・リチャードソンを獲得したことで、オールスターセンターのジョエル・エンビードを含めたイースタン・カンファレンス最強と言っても過言ではない先発陣を形成。NBAファイナル進出候補の一角として今季を迎えるのだが、シモンズはチームの現状についてこう語った。
「僕らはすでに集中している。プレーする準備はできているよ。僕らは早い時期からジムに集まって一緒にプレーしてきたんだ。互いのことをよく理解し、もっと良くなるようにね。だから今シーズンはシクサーズにとってエキサイティングな1年になるだろうね」。
レギュラーシーズン開幕まで1か月を切った段階で、すでにシクサーズの主軸選手たちは共にプレーしており、順調な仕上がりを見せているようだ。
イースト最高級のロースターを擁するシクサーズが開幕からどんな戦いを見せてくれるのか。今からとても楽しみである。