『ESPN』が選出したウェストの歴代ベストスターター/サウスウェスト・ディビジョン編

スパーズからはもちろん、ビッグ3(左からダンカン、パーカー、ジノビリ)が選ばれた[写真]=Getty Images

 5月22日(現地時間21日、日付は以下同)。現地メディア『ESPN』は、ウェスタン・カンファレンスの計15チームにおける、フランチャイズ歴代ベストのスターター5選手を発表した。

 同メディアは、ライター陣へウェスト各チームのスターター5選手を聞き込み、そのフランチャイズに在籍していた期間における活躍度、インパクトを加味して選出している。

 最後はサウスウェスト・ディビジョンに所属する5チームの歴代最強スターター陣を紹介していきたい。
※カッコ内は所属期間、赤字は現役選手、G=ガード、F=フォワード、C=センター

<『ESPN』選出の歴代最強スターター陣
(ウェスタン・カンファレンス/サウスウェスト・ディビジョン編)>

■ダラス・マーベリックス
G:デレック・ハーパー(1983~94、96~97年)
G:ジェイソン・テリー(2004~12年)
G:ローランド・ブラックマン(1981~92年)
F:マーク・アグワイア(1981~89年)
F:ダーク・ノビツキー(1998~2019年)

ノビツキーの成長と成功を助けた2選手は惜しくも落選

 テリーはノビツキーのほかでは唯一2006年と11年にファイナルへ出場した選手であり、その両方のファイナルでノビツキーに次ぐ得点を残した。ハーパーとブラックマンはこのフランチャイズで永久欠番になったガード。アグワイアはチーム退団時に苦い思い出があるため、永久欠番にはならないだろう。だが在籍約8シーズンでチーム史上トップの平均24.6得点を残していたことは見逃せない。

 今回のセレクトでタフだったのは、マイケル・フィンリー、ジェイソン・キッドを外したこと。前者はノビツキーがまだ若かった頃にサポートしており、後者は11年のファイナル進出を手助けし、チーム史上初優勝にも貢献していたからだ。

マブスでファイナルに2度出場し、11年に優勝を手にしたノビツキー(左)とテリー(右)[写真]=Getty Images

■ヒューストン・ロケッツ
G:ジェームズ・ハーデン(2012~現在)
G:カルビン・マーフィー(1970~83年)
F:トレイシー・マグレディ(2004~10年)
F:ルディ・トムジャノビッチ(1970~81年)
C:アキーム・オラジュワン(1984~2001年)

殿堂入りビッグマンが乱立するも、チーム史上ベストプレーヤーを選出

 まずは殿堂入りしたエルビン・ヘイズ、モーゼス・マローン、ヤオ・ミンというビッグマンたちへ謝りたい。このフランチャイズでプレーしてきたセンター陣の中から1人を選ぶのはものすごく大変だった。だがハーデンが爆発的なオフェンシブプレーヤーとなった今でも、オラジュワンはチーム史上ベストプレーヤーだ。

 ハーデンはあと22得点すればマーフィーを上回り、通算得点でオラジュワンに次いでチーム史上2位へと浮上する。だが175センチのマーフィーは、現時点では得点とアシストでそれぞれ2位の座を守っている。

 “ルディT”ことトムジャノビッチは1977年の乱闘事件で対戦相手にパンチを食らってしまい、顔の骨を折るという甚大な被害に遭ったことでキャリアに影響が出た。それでも、ロケッツ一筋でプレーして5度のオールスター選出は、このリストに入るにふさわしい。

1994、95年にロケッツへ2連覇をもたらしたオラジュワン[写真]=Getty Images

■メンフィス・グリズリーズ
G:マイク・コンリー(2007~19年)
G:トニー・アレン(2010~17年)
F:シャリーフ・アブドゥル・ラヒム(1996~2001年)
F:ザック・ランドルフ(2009~17年)
C:マルク・ガソル(2008~19年)

7年連続でプレーオフに出場した時の主力と好成績を残したラヒムを選択

 2011年から7年連続でプレーオフへと駒を進めた当時のメンバーから4人をセレクト。13年にカンファレンス・ファイナルへ進出したことは、チーム史上最高の戦績と言っていいだろう。

 パウ・ガソルをピックしようと思ったのだが、センターに弟のマルク、パワーフォワードにランドルフがいる中ではフィットしないと判断。そこでアブドゥル・ラヒムを選んだ。チーム成績こそ芳しくなかったものの、ラヒムは5シーズンの在籍で平均20.8得点8.2リバウンドという好成績を残していた。

グリズリーズの主軸として活躍したビッグ3(左からランドルフ、コンリー、ガソル)[写真]=Getty Images

■ニューオーリンズ・ペリカンズ
G:クリス・ポール(2005~11年)
G:ドリュー・ホリデー(2013~現在)

F:ジャマール・マッシュバーン(2000~04年)
F:デイビッド・ウェスト(2003~11年)
C:アンソニー・デイビス(2012~19年)

ペジャ、ゴードン、イングラムとの競り合いを制したマッシュバーン

 デイビス、ポール、ホリデーにウェストは異論なしだろう。あとはウイングをもう1人と思っていたやさき、4人も候補に挙がってきた。マッシュバーン、ペジャ・ストヤコビッチ、エリック・ゴードン、あとはブランドン・イングラムか。

 ニューオーリンズに移転してから初となった02-03シーズン。マッシュバーンはオールスターとオールNBAサードチームに選ばれているのだが、ペリカンズは今年まで、ウイングのオールスター選手を輩出していない。イングラムは今年オールスター入りしたものの、まだ56試合しか出場していないため、このリストから外した。ニューオーリンズ在籍時のゴードンは迫力に欠けており、ポールやウェストとプレーしたストヤコビッチはシューターとして活躍したものの、ケガにも苦しんでいた。

 その点、マッシュバーンは101試合の出場ながらインパクトを残しており、平均21.5得点はデイビス(同23.7得点)に次ぐフランチャイズ史上2位という好位置にいる。

多彩なスキルが魅力の技巧派スコアラーとして活躍したマッシュバーン[写真]=Getty Images

■サンアントニオ・スパーズ
G:トニー・パーカー(2001~18年)
G:マヌ・ジノビリ(2002~18年)
F:ジョージ・ガービン(1974~85年/ABA含む)
F:ティム・ダンカン(1997~2016年)
C:デイビッド・ロビンソン(1989~2003年)

MVPに輝いたビッグマンデュオ、王朝に不可欠だったガード陣

 この5人のセレクトは簡単だった。長い間スパーズに在籍し、互いにプレーすることで相乗効果もあったからだ。カワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)も有力候補ではあったものの、ガービンに軍配が上がった。

 ダンカンとロビンソンはスパーズ一筋でキャリアをまっとうし、MVPにも選ばれた偉大なビッグマン。ジノビリとパーカーは王朝を築くうえで不可欠な選手だった。ガービンはスパーズというフランチャイズにおいて、必見のスーパースターだった。

ロビンソンは216センチの走れるビッグマンとして大車輪の活躍を見せた[写真]=Getty Images

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