2022.02.16

八村塁が絶好調の3ポイントに手応え「ウィザーズでずっと取り組んできたこと」

八村は今季3ポイントを43.2パーセントと高確率で成功させている[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 待望の復帰から17試合を消化した八村塁(ワシントン・ウィザーズ)。まだスターターには戻れていないものの、次第にプレイタイムも伸びてきており、ウェス・アンセルドJr.ヘッドコーチからの信頼も日に日に厚くなってきている印象を受ける。

 何より今シーズンの八村で特筆すべきなのは、デビュー前ならびに過去2シーズンで課題とされていたアウトサイドシュートの精度向上だろう。地元メディア『NBC Sports Washington』は、八村がブラッドリー・ビールケンテイビアス・コールドウェル・ポープら3ポイントシュートを得意とする選手以上のクオリティを維持している現実を踏まえ、背番号8の成長を賞賛している。

 試投数は平均2.1本と控えめだが、八村は今シーズン43.2パーセントの3ポイント成功率をマークしている。ルーキーイヤーが28.7パーセント、2年目が32.8パーセントであることを考慮すると、現在の確率の高さは特筆すべき価値があると言える。

 富山県出身のパワーフォワードも、これまでの成績をポジティブに捉えている。

「(3ポイントは)ここ(ウィザーズ)に来てからずっと取り組んできたことです。その事実が僕に自信をもたらす手助けになっていると感じています。僕たちチームのコンセプトは、シュートを打ち、ペイントアタックを仕掛け、3ポイントシューターにキックアウトをすること。そうしたプレーを可能にしてくれる選手がいるので、僕自身がオープンに3ポイントを放つことができると思っています」

 現在のNBAでは効率性が重要視されていることから、同メディアはこの先も八村がローテーションのなかで際立った存在になると太鼓判。また、本人も3ポイントの驚異がプレーの幅を広げると手応えを感じている様子だ。
 
「3ポイントを打つのはもちろんいいことです。それにより、僕はドライブやリムアタックが楽になりますからね」

大学の後輩でもあるキスパートは八村の成長に驚嘆

 また、八村への言及が度々求められているチームメートにして大学の後輩のコーリー・キスパートも、八村の成長には驚きを隠せないという。

「素晴らしいですよ。大学時代に彼をガードする選手は、フリースローラインに居座っていましたからね。でも、今は外角が驚異となり、安定してシュートを決めています。新たな武器を身につけ、可能性を引き出している印象です」

「彼は本当に柔らかいタッチでボールを放ち、その綺麗な放物線が(成功率向上の)助けになっていると思います。バックスピンがかかっているので、リムの内側を捉えてしまえばリングをくぐりますからね」
 

キスパートは八村のシュート精度向上に舌を巻いている[写真]=Getty Images


 こうしたデータが記録されている以上、八村にはもっとアウトサイドのオフェンス機会を与えるべきだとの声も挙がるだろう。しかし、本人はそれに対して消極的で、あくまで武器のひとつと認識している。

「その必要性は不確かだと思います。それは僕のスタイルではなく、あくまでも一部との認識で、強みではないと思っています」

 カワイ・レナードと比較されるミッドレンジジャンパーはもちろん、フィジカル的な強さも兼ね備えていることからリム付近でも得点を重ねることができる八村。これにアウトサイドが定着すれば、同選手はリーグでも指折りのオールラウンダーへと成長するだろう。ブラックサムライの底知れぬポテンシャルに期待は膨らむ一方だ。

 文=Meiji

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