色褪せるどころか、時が経てば経つほど存在感を増すコービー・ブライアント（元ロサンゼルス・レイカーズ）のレガシー。今シーズンもオンコートではコービーのシグネチャーモデルを着用する選手が後を絶たず、彼への情愛は今もなお反映されている。

　世界最大級のトレーディングカード取引所「PWCC Marketplace」は先日、コービーのとあるカードが200万ドル（約2億3000万円）で落札されたことを発表。これは同選手のトレカ史上、最高額額での売買となる。

　このカードはルーキーカードでもないし、サイン入りおよび着用ジャージ入りの類でもない。1997－98シーズンに発売の「Metal Universe」シリーズに封入された“Precious Metal Gems”のなかでもトップクラスのレアリティーを誇るエメラルドカラーの逸品だ。

　落札されたトレカは、計100枚のうち4番目のシリアルナンバーが与えられたもの。そして、エメラルドは1から10番目のみにしか採用されていない極めて希少なカラーで、『Beckett Media』はかつて、“Precious Metal Gems Emerald”を「戦後のスポーツカードのなかで最も切望されている1枚」と称したという。

🚨Most ever paid for a Kobe card🚨

This record-setting Kobe Bryant Green PMG sold for $2 Million in a private sale!🔥 pic.twitter.com/1o7cFJA5um

— PWCC (@PWCCmarketplace) February 22, 2022

　さらに、コービーの“Precious Metal Gems Emerald”はBGS鑑定の権威「Beckett Grading Services」から8.5の評価を受けている。『ESPN』によると、この点数は公に認知されている同類のカードのうち最高評価タイのグレードにあたり、「PWCC Marketplace」のディレクターを務めるジェシー・クレイグも歴史的な出品に驚きを隠せなかった。

「これは間違いなく、現存するコービーの最高のカードです。そもそも状態を度外視しても見つけることは困難であり、これほど良好な状態で発見されるのは極めて稀なことです」

　この度落札されたコービーの“Precious Metal Gems Emerald”は、レブロン・ジェームズのルーキー・パッチ・オートグラフ（RPA）、ルカ・ドンチッチのロゴマン・オートグラフ、マイケル・ジョーダンのオールスターゲーム使用ジャージのオートグラフなどと並んで200万ドルを突破した数少ないトレカとなる。

　なお、NBAトレカ史上最高額は2021年4月に落札された2003－04シーズンの「Upper Deck Exquisite Collection」より登場したレブロンのRPAパラレルカード。果たして、NBAトレカの高騰に天井はあるのだろうか。

　文=Meiji