2023.10.13

『リーボック』がNBAに再参入へ…シャック&アイバーソンを招聘し復権本腰

2017年、「シャックアタック」を手にするシャキール・オニール[写真]=GettyImages
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 アメリカのスポーツウェアメーカー『リーボック』が、シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)をバスケットボール部門の社長に任命したと発表した。同時にアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)を副社長に招聘。現代バスケットボールに欠けていたブランドが、本腰を入れてNBAに帰ってくる。

 オニールとアイバーソンは言うまでもなく、90年代から00年代にNBAを席巻した説明不要の殿堂入りプレーヤーだ。史上最強センターとして歴史に名を刻むシャックは、『シャック アタック』に足元を支えられながらペイントエリアで古今無双の活躍。一方のアイバーソンは、その類稀なスキルとスタイルでリーグに革命をもたらし、シグネチャーの『クエスチョン』や『アンサー』シリーズもアイコニックな存在としてコートの内外で愛され続けてきた。

 アメリカのメディア『Complex』によると、オニールとアイバーソンの任務は、世界中のスポーツブランドがしのぎを削るパフォーマンスフットウェア市場で、再びリーボックの人気を再燃させることだという。

 そして、今回の発表にともない、『Complex』は新社長に独占インタビューを実施。社長としての意気込みや今後の展望など、さまざまな質問に答えている。

2016年、殿堂入り式典に出席したオニールとアイバーソン、右は元WNBA選手のスウープス[写真]=GettyImages

 ファンが最も関心を寄せているのは、時代を超えた2人のレジェンドのチームアップと役割分担だろう。シャックによると、自身は選手の育成とパートナーシップに焦点を当て、アイバーソンはリーボックの看板を背負う選手の勧誘をはじめ、草の根からコミュニティベースを作るイニシアチブを握り、選手の活動基盤の構築に専念するようだ。

 また、昨今のスポーツブランドにおいて、エンドースメント契約とシグネチャーモデルの展開は発展に欠かせない要素となる。リーボックは今後、新たな選手とのパートナーシップを目指すが、オニールは求める人物像について、以下のようにコメントしている。

「我々を次のレベルに引き上げる選手であり、その要素を兼ね備えている選手です。言語化するのは難しいですが、アレン・アイバーソンのことを思い出してください。彼は最初にリーボックに来たときから、そのようなパーソナリティがありました。シャックという小柄で、痩せっぽっちな男もそうでした。我々は紳士淑女たち、そしてスポーツ業界で影響力のある人物たちをざわつかせたいと思っています」

 最近のNBAでは、トーリアン・プリンスらがアイバーソンのシグネチャーを着用して出場したことが話題となったが、シャックはすでに水面下でリクルートメントを始めており、数名の候補を検討。具体的なアプローチこそ開始していないものの、テーブルにつく準備はできているようだ。

 現在のバスケットシューズ業界に切り込むうえで、新たなモデルやテクノロジーの導入は必須任務となるだろう。この点について、オニールはどのように考えているのだろうか。

「素晴らしいデザイン、素晴らしいテクノロジーを提供し、消費者フレンドリーであり、価格競争力のあるブランドでありたいと思っています。私の別ブランドはとても手頃なプライスレンジですが、リーボックは異なり、他のブランドと競争する所存です」

「このゲームには、たくさんのプレーヤーが存在します。しかし、リーボックはバスケットシューズのリーダーとして再参入し、再浮上する余地があると思っています。誰に意見を求めるかにもよりますが、我々はブランド力で1位または2位に位置し、私、AI、ショーン・ケンプ、ドミニク・ウィルキンスなど、影響力のあるプレーヤーが多数在籍していました。また、そのような熱狂が帰ってくるはずです」

 オニールとアイバーソンの両雄を携えたリーボックの帰還は、大きなトピックスとなる。今後の展開に注目が集まる。

文=Meiji

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