優勝候補のフェニックス・サンズは開幕後、2勝1敗と上々な滑り出しを見せている。直近2試合は“ビッグ3”を構成するデビン・ブッカーとブラッドリー・ビールの両選手を欠いており、ロールプレーヤーたちの奮起が結果につながっている。

　まぎれもなく、渡邊雄太も功労者の1人である。3試合を終えて1試合平均17.7分間のプレータイムを与えられ、同6.0得点3.0リバウンド0.7スティール、3ポイント成功率44.4パーセントをマーク。また、重要な局面での活躍も印象的で、数字には表れない貢献度も非常に高く評価できるだろう。

　サンズを率いるフランク・ボーゲルヘッドコーチも、渡邊のプレーには満足感を示している。完勝したユタ・ジャズ戦後の会見では、新加入の背番号18に次の賛辞を送った。

「私は、彼のプレーが大好きです。何と言うか、彼には活力があります。これまでに何本の3ポイントを決めたかはわかりませんが、今日も1本成功させました。つまり、相手選手は彼をケアしなければいけません。それによって、相手ディフェンスは広がり、ほかの選手にスペースを生み出すのです。そして、彼はオフェンス面で正しいプレーをするための非常に高いIQを兼ね備えています。ディフェンス面での努力と知性についてはご存知のとおり、彼は我々の中でも優れたディフェンダーの1人です。多くの場合、対戦相手は彼をターゲットにしようとしますが、彼は足を動かし、相手を封じ込め、自分の利点を活かしていいブロックを披露します。今夜の彼も相手選手に対して、素晴らしいプレーをしました。本当に優秀な2ウェイプレーヤーです」

　開幕前にサンズのFA契約で渡邊に「A+」の評価を下した『ClutchPoints』のトレバー・ブース氏も、渡邊には引き続き太鼓判を押す。ゴールデンステイト・ウォリアーズと対戦したシーズン初戦より、自身の守備から3ポイントシュートを成功させた一連のプレーを例に挙げ、渡邊の選手としての価値を強調した。

「彼はオンボールディフェンスを改善する必要があると言われましたが、ヘルプディフェンスの感覚と、適切な位置を取る予知能力は、フランク・ボーゲルHCに感銘を与えたはずです。ブロックからリバウンド、そして3ポイントの成功。GP2（ゲイリー・ペイトン2世）は、ジョシュ・オコーギーを突き飛ばすことしかできませんでした」

　早速、コーチ、チームメート、ファン、メディアからの信頼を獲得した渡邊。今シーズンはロスターの要として、チームから重役を託される機会が増えそうだ。

文＝Meiji