2023.07.23

【インターハイ女子注目チーム】京都精華学園「連覇の懸かる夏。近畿大会での敗戦を良薬に変えて」

インターハイ2連覇を目指す京都精華 [写真]=奥田晃介
フリーライター

7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目チームをピックアップした。

取材・文=田島早苗
写真=奥田晃介

■中学時代から全国大会で活躍する堀内・八木コンビに注目

 昨年のインターハイで初の全国制覇を達成した京都精華学園高校(京都府)。続く12月のウインターカップでも初優勝を果たし、昨年は2冠を獲得した。

 その一翼を担ったのが堀内桜花と八木悠香(いずれも3年生)。2人は京都精華学園中学校時代から全国大会で活躍し、キャリアを重ねてきた。3年生となった今年も2人ともに得点、リバウンド、アシストなどで勝利に貢献し、攻防において欠かすことのできない存在となっている。

 また、思い切りの良いシュートを放つ桃井優(2年)をはじめ、走力のあるセンターのディマロ ジェシカ(3年)やスピードが持ち味の橋本芽依、得点力の高いガード・林咲良(いずれも2年)と、昨年に続いて主軸を担う選手たちも健在。連覇を狙うための戦力は充実といえる。さらに今年は高校から京都精華学園に入学した川地汐夏(3年)が、苦しい場面でのシュートやリバウンドなどでチームを救う働きをしており、彼女の存在もまた頼もしい。

高さと走力を持ち合わせるジェシカ [写真]=奥田晃介


 中学時代からのチームメートも多く、息の合ったプレーを見せる京都精華学園は、堀内、八木を軸に、簡単には崩れない強さがある。しかし、「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」(6月23日〜25日)では、決勝で大阪薫英女学院高校(大阪府)に70ー73と惜敗。出だしでいきなりビハインドを負った試合は、第3クォーター終盤に連続得点で逆転に成功したものの、最後は決定力を欠いてしまい大阪薫英女学院の前に力尽きた。

「(試合の出だしに)出鼻をくじかれ、その後は逆転したけれど、そこで安心感が出てしまいました。特にディフェンスに出てしまったと思います」と、試合を振り返った山本綱義コーチ。また、「こういう試合はターンオーバーで流れが変わってしまうし、体力不足ですね」と、課題も挙げた。

 この近畿大会の結果により、インターハイの第1シードは大阪薫英女学院に。京都精華学園はノーシードからの登場となった。京都精華学園は、昨年も同様に近畿大会で敗れて、インターハイをノーシードから戦って頂点まで駆け上がった。それだけに、インターハイに向けて「(困難を)乗り越えられる本当の力を付けていきたいです」と、山本コーチは言う。

「甘さがあった」(八木)と、多くの課題を残した近畿大会。それから約1カ月後に迎えるインターハイで、前回覇者の京都精華学園は、どのような姿を見せるか。優勝候補筆頭には変わりのない戦力だけに、敗戦を良薬としたい。