7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目チームをピックアップした。

取材・文・写真＝小永吉陽子

■「全国屈指の強豪にチャレンジできるチームにしたい」

　今年の聖和学園高校（宮城県）は全体的な高さの中で全員攻防を目指すチーム。その総合力の高さで東北大会を圧勝で勝ち上がっている。小野裕コーチは「去年のエースだった上野心音（筑波大学1年）のような1対1に強い選手が不在なので、今年は全員で動いてスペースを作り、合わせのプレーで得点が取れるチームを目指してきました」と方針を語る。呼吸のあった連携プレーでどこからでも得点を狙えるだけに、総合力は昨年よりもレベルアップしているといえるだろう。「今野紀花（ルイビル大学→デンソー）をエースとして、全国上位を目指したときのような可能性を感じるチーム」（小野コーチ）と確かな成長に手応えを感じているところだ。

　チームの中心は、オールラウンドなプレーで貢献するキャプテン高瀬ゆのか（175センチ）。得点、パス、リバウンドといったすべてのプレーに絡み、周りを生かすこともできる大黒柱だ。急成長しているのは2年生コンビの阿部友愛（175センチ）と内田理香（178センチ）。阿部は中学時代、双子の姉である心愛（桜花学園2年）を支えるリバウンドでの貢献が光ったが、今ではポイントゲッターとして成長。今夏はU16代表としてアジア選手権にも出場した。同じく2年生の内田理香（178センチ）は走れるインサイドプレーヤー。外角シュート力もついてきて、プレーの幅を広げているところだ。

　3人の得点源を支えるガード陣には、3年生の細川真緒、2年生の竹本歩生らが存在感を示しているが、インターハイ県予選でガード陣に負傷者が出てしまった。そうしたアクシデントにも、東北大会では1年生の齋藤凌花が台頭。ベンチから出てくるセカンドユニットも仕事人が揃い、選手層の厚さが出てきたところだ。

得点源として成長中の2年生、阿部友愛（左）と内田理香（右）[写真]＝小永吉陽子