2023.07.21

【インターハイ女子注目選手】高瀬ゆのか（聖和学園）「オールラウンドなプレーでチームを生かすキャプテン」

オールラウンドな得点力を持つ聖和学園のキャプテン [写真]＝小永吉陽子

小永吉陽子

スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。

取材・文・写真＝小永吉陽子

■高瀬ゆのか「目標はインターハイベスト4」

　東北を圧倒的な強さで制した聖和学園。今年のチームは小気味いいテンポでゲームを作るガード陣と高さのあるウイング陣を揃え、非常にバランスのいいチームに仕上がっている。チームの得点源としては、阿部友愛（175センチ）と内田理香（178センチ）ら2年生コンビが成長中である。そんな中で、チームの絶対的な核となっているのが、3年生のキャプテン高瀬ゆのか（175センチ）だ。

　今年の聖和はスペーシングをうまく作り出してのコンビネーションプレーが武器だが、そのカギを握っているのが、高瀬のオールラウンドなプレーである。ドリブルでボールを運び、ドライブを仕掛け、パスで周りを生かしてリバウンドに絡む。状況に応じて判断できる機転を持ち併せており、ガード的な要素も備わっているのが特長だ。

　小野裕コーチは「以前の高瀬は無理をして突っ込んでしまうようなプレーがありましたが、今では、チームプレーの“きっかけ”を作れる選手になって、周りを生かせるようになりました」と成長している点を語る。

得点のみならずパスでも周りを生かせる [写真]＝小永吉陽子

　自身も「チームを機能させる」役割を受け入れている。「私がドライブをしてからインサイドにパスをすることもあれば、私が周りに合わせて得点することも増えてきました。また、キャプテンでもあるので、得点が取れないときには声をかけてリーダーとして引っ張っていくことも心掛けています」

　目下の課題は3ポイントだ。今年の春、U18代表候補としてエントリーキャンプに参加した際には「さらに上のレベルで戦うには3ポイントが大事になるので、今以上に3ポイントを狙うことを意識して、大事なところで決め切れるようになりたい」と課題が明確になった。まさに目指しているのは、パスもドリブルもドライブもできて、アウトサイドシュートも打てるオールラウンダーだ。

　高瀬がチームの核として機能することで、目標である「インターハイベスト4」（高瀬）に近づいていけるだろう。