2023.07.20

【インターハイ女子注目選手】堀内桜花&八木悠香(京都精華学園)「IH連覇を目指す絶対的司令塔とエース」

堀内(左)と八木が京都精華のIH連覇のキープレーヤー [写真]=奥田晃介
フリーライター

7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。

文=田島早苗
写真=奥田晃介

堀内桜花「アシストにシュート、そしてリバウンドも量産する司令塔」

しなやかな動きも堀内の特徴と言える [写真]=奥田晃介


 相手ディフェンスの虚を突くようなキラーパスを決めたかと思えば、自らもスルスルッとドライブでリングへ向かい、技ありのシュートを決めていく。センスあふれるプレーで攻撃を仕掛ける堀内桜花(3年)は、京都精華学園高校(京都府)が誇る絶対的司令塔だ。

 インサイドの柱として188センチの高さがあり、強さを見せるディマロ ジェシカ(3年)へのピンポイントパスでも冴えを見せる堀内。だが今年のチームは、昨年まで得点源を担っていた188センチのイゾジェ ウチェ(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)やオールラウンドに得点を奪う176センチの柴田柑菜(立命館大学1年)らが卒業したため、昨年よりは小さい布陣となった。

 しかし、サイズこそ昨年のチームよりは劣るものの、フォワード陣は3ポイントシュートを得意とする選手が多いということはプラスの特長ともいえる。そのため、堀内もアウトサイド陣へのパスは意識していると言い、さらには自らも「ドライブからのジャンプシュートなどを打っていきたい」と、意気込む。

 また、昨年のウインターカップ決勝で17本を奪ったように、リバウンドにも強い意欲を見せており、アシストはもちろんのこと、得点やリバウンドは昨年以上に絡むこととなるだろう。それだけに、今年はトリプルダブルの記録も期待できそうだ。

 憧れの存在となる特定の選手はいないが、東京オリンピックを見て惹かれたのは、WNBAのニューヨーク・リバティでも活躍する女子フランス代表のマリヌ・ジョアンヌ。「アシストがうまい選手のプレーは目がいきます」と、堀内。堀内もまたジョアンヌのようなトリッキーなパスを見せるガードで、一つのプレーでチームの雰囲気を好転させるような力を持っている。

 昨年のインターハイでは初優勝を遂げたものの、堀内自身は納得いくプレーとまではいかなかった。3年生となり、キャプテンにも就任した今夏は、チームを勝利へと導くとともに、自らが満足するようなプレーで再び頂点へと駆け上がりたい。

八木悠香「連覇に向けてさらなるレベルアップを図る」

リングにアタックする姿勢が八木の武器 [写真]=奥田晃介


「3ポイントシュートを打つべきところで、自分に自信がなくて打たなかったので…」

 6月23日〜25日の期間、奈良県にて行われた「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」。大阪薫英女学院高校(大阪府)との決勝戦に70―73で敗れ、優勝を逃した京都精華学園高校(京都府)の八木悠香(3年)は、こう決勝戦を振り返った。

 京都精華学園は昨年、インターハイ、ウインターカップともに初優勝を果たし、2冠を獲得した。そして今年、当時から主力を担っている八木は、2連覇が懸かるこの1年の戦いに向けて、さらなるレベルアップが必要と考え、プレーの幅を広げる取り組みをしていた。その一つが3ポイントシュートだったのだが、近畿大会の決勝という大一番では、外角シュートに思い切りの良さがなくなってしまい、八木にとっても悔やまれる敗戦となった。

 今年の女子高校界で注目選手の一人である八木は、1年生の頃からスターターを担う。体の強さがあり、その特長を生かしたドライブやリバウンドなどからシュートを沈めるなど、チームの得点源でもある。また、体を張ったディフェンスで相手のセンターと対峙するなど、あらゆる面での貢献が大きく、替えの利かない存在ともいえる。

 2年生だった昨年は「FIBA U16女子アジア選手権大会 ヨルダン2022」と「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ ハンガリー 2022」に日本代表として出場。世界の高さや強さを体感した。そして今年は、インターハイ前の7月に開催されたBWB(BasketballWithoutBorders)のグローバルキャンプに参加。ラスベガスで行われた同キャンプでは34人の中から10人が選ばれるオールスターにも選出されている。

 国内外での経験を積み、着実に力を付けてきた八木。「近畿大会では甘さがある、3年全員の結束力が足りないと先生にも言われていました。私たちの後姿を見て、後輩たちが付いてきてくれるように、3年全体がもっと成長しないといけないと思います」と、近畿大会での敗戦を踏まえ、インターハイに向けて気持ちを新たにしていた。