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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=田島早苗
写真=奥田晃介
奈良県にて開催された「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」(6月23日~25日)を制した東山高校(京都府)を引っ張るのは3年生の佐藤友。近畿大会では4試合を戦い、1試合平均で21.25得点。決勝では27得点という数字を残した。
チャンスと見れば果敢にリングに向かい、ドライブや中長距離のシュートなど多彩な攻撃を仕掛ける。中でも光ったのがリバウンドで、自らリバウンドからのシュートをねじ込んだり、攻撃チャンスをチームにもたらしたりと、攻撃の要となった。
ディフェンスでも気を吐くリーダーだが、その献身的なプレーには、昨年のウインターカップを見て強く感じたことが影響している。それは、優勝した開志国際高校(新潟県)の武藤俊太朗(明治大学1年)の存在で、リバウンドなどでチームの勝利に大きく貢献していた姿を見て、「ああいった役割を誰かがしないとチームはまとまらないと思い、自分がその役割を引き受けようと思いました」という。
「自分がそういったところをやれば相手は嫌だと思うし、実際、留学生など大きな選手の上からリバウンドを取ることができると、これから自信にもつながっていきます」とも付け加えた佐藤。インターハイに向けての個人の課題には、「留学生の選手と対峙するときに、ゴール下のシュートを落としてしまうことが多いので、そういったところを見直していかないといけないと思っているし、3ポイントシュートも打てるときには打って、確率も高くしていきたいです」と、語った。
東山にとって2019年以来となるインターハイ。「自分たちにとってもはじめてのインターハイですが、目標は日本一。でも、倒さなくてはいけない相手はいっぱいいます。それらのチームを倒すために、(本番までに)チームとしてさらにまとまっていき、今よりもう少し成長した姿でインターハイに臨めたらいいなと思います」と、佐藤。
最上級生の佐藤にとっては最初で最後のインターハイ。待ち望んだ舞台で、どのようなプレーを見せてくれるのか、期待がかかる。
中学時代はクラブチームのゴッドドア(兵庫県)で「Jr.ウインターカップ2021-22」日本一を経験。同大会ではエースとして決勝でも28得点16リバウンドをマークするなど、高い得点力を発揮した瀬川琉久。東山高校に入学した昨年も2番ポジションを務めたが、2年生となった今年のチームではポイントガードを担う。
とはいえ、得点面での貢献も大きいため、大澤徹也コーチからは「点を取れるときは取るように」と言われており、「第70回近畿高等学校バスケットボール大会」でも4試合中3試合で2桁得点。決勝では21点を奪って優勝に貢献した。
「今大会に関しては、ドライブで切り込んで留学生など大きな相手にも引くことなく攻めることができたかなと思います」と、瀬川。自身の得点に関しては一定の手応えを感じたようだった。
だが一方で、「ポイントガードとしては、全然ダメだったと思っています。ターンオーバーが多かったし、チームの流れや試合全体の流れを感じ取って、そこにフォーカスするということができていなかったかなと思います」と、反省の弁。点を取るだけでなく、今年はゲームメークも任されているからこそ、司令塔としての自身の出来には厳しい言葉を発した。
「ディフェンスも強化していて、ゾーンプレスから速攻を出したり、(1年生の)佐藤凪が入ったことによってオフェンス能力も高くなりました。ディエンスで相手の攻撃をしっかり防ぎ、速攻を狙いながら、個人の1対1やピックアンドロールを使って攻めていくのがスタイルです」(瀬川)という今年の東山は、ここまで2月の近畿新人大会と6月の近畿大会との2つのタイトルを獲得している。
もちろん、目指すは日本一。昨年は、インターハイもウインターカップも不出場となっただけに、瀬川も東山高校として出場する全国大会は今夏が初となる。「楽しみですね」と笑顔を見せた攻撃型ガードは、「観客を魅了するようなプレーをしたいと思います」と、意気込みを語った。