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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文・写真=小沼克年
42得点26リバウンド、42得点23リバウンド、40得点20リバウンド、40得点34リバウンド――。
日本航空高校(山梨県)を語る上で、オルワペルミ・ジェラマイア(2年)に触れないわけにはいかない。冒頭に記したのは、彼が2月の関東新人大会と6月に行われた関東大会で記録したスタッツの一例である。
2メートルの身長を誇るジェラマイアは、ナイジェリアから来日した留学生センター。山本裕コーチは「去年のウインターカップあたりからチームに溶け込みはじめて、日本語もだんだん喋れるようになってきました」とジェラマイアの成長を語る。
愛称は「ジェリー」。本人によれば、母国では11歳からバスケットを始め、「日本には文化を学ぶためと、自分の能力をみんなに見せるためにやってきた」。
ジェラマイアの魅力は、2メートルのサイズと優れた身体能力に留まらず、走力や器用さも兼ね備えている点だ。インサイドでは力技だけではなく、相手が囲んでくると察知すれば無理をせずにパスをさばき、シュートタッチも柔らかい。母国ではウイングポジションでプレーしていたようで、その点も軽やかな身のこなしを可能にする要因の1つと言える。
ゴール下のシュートとリバウンドを量産し、ドリブル、パスもそつなくこなすジェラマイアは、ブロックショットでも会場をどよめかす。さまざまなプレーができるなかでも、最も得意と口にするのは「ダンクシュート」。試合中でもリングに頭をぶつけてしまいそうなほどの跳躍力を披露し、そこから繰り出す豪快な一撃は必見だ。
関東地区では、まさに無双状態の大活躍で周囲を圧倒した。しかし、日本一を決めるインターハイとなれば、より屈強で優れたスキルや経験値のある留学生が集結する。
それでもジェラマイアは、来たるべき決戦へ向け「強くてかっこいいプレーを見せたい」と気合い十分。日本航空が誇る2年生ダンカーは、全国の大舞台でもお構いなしに、誰よりも高く飛ぶだろう。
文・写真=小沼克年