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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=入江美紀雄
写真=佐々木啓次
崎濱の魅力は何と言っても爆発的な得点力だろう。福岡第一が得意とする速い攻めのリズムの中で、小気味良い3ポイントシュートを決めていく。当然、相手ディフェンスは崎濱を抑えにかかるが、態勢を崩しても決めきるシュート力の前に得点の山を築かれることになる。
6月に行われた「第76回全九州高等学校体育大会バスケットボール競技大会」では、足首の故障のため1、2回戦の出場を控え、準決勝、決勝でも出場時間を制限しながらのプレーとなったが、今はコンディションの問題はない。現在チームとして取り組んでいるのはディフェンスの強化。「去年までと違って、ハードに行かなければいけないところでまだそれができていないと言えます。大会まで練習でどこまで詰めていけるかが(インターハイを勝ち抜く)カギを握ると思います」と、きっぱり。
崎濱と言えば思い出されるのが昨年の香川県で開催された「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)男子の部」の決勝。崎濱は残り5秒、値千金の3ポイントシュートを決め、同校の3年ぶり4回目のインターハイ制覇に貢献した。
「去年は自分のシュートで大会を終えることができました。しっかり活躍して2連覇したい」と、崎濱自身も相性の良い大会と笑顔を見せる。ただ、その優勝を主力として経験したのは崎濱のみ。「インターハイの戦い方はわかっているつもりです。それをみんなに伝えたい」とゆかりはない。エースとなって帰ってくる札幌の舞台でどんなプレーを見せてくれるのか⁉ もちろん見逃せない選手の一人だ。
「どちらかと言えばパスが好き」と話す山口の武器はアシストだ。延岡学園高校(宮崎県)と相まみえた九州大会決勝では25分33秒の出場で12アシストを叩き出した。ゴール下に待ち構えるチームメートにピンポイントのパスを通したかと思えば、ドライブでゴール下に切り込み頭越しのノールックパスもお手のもの。“プレッシャーの強いディフェンスから畳み掛けるオフェンス”という福岡第一の必勝パターンを演出するのが山口の役目だ。
「シューターの森田(空翔、3年)は3ポイントが入るし、サー(シェッハ、2年)はよく走り、ブレイクを引っ張ってくれます。なので、前を向いてプレーしたいと思っています」と、攻撃的な姿勢を崩さない。
そんな山口も九州大会では故障のため万全なコンディションではなかった。しかし、インターハイの開幕を目前に控え、「ケガはもう問題ありません。本番に向けて(コンディションを)上げていきたいと思います」と目を輝かす。「経験しているのは秀斗だけですし、(主力で出場する)初めてのインターハイなので緊張するかもしれないけど、それを乗り越えて優勝したいと思います」と決意する。
「これまで自分たちが積み上げてきたものを発揮してまず初戦に勝利したいと思います。そして、一戦一戦自分たちのバスケをして頂点を目指します」
山口のキラーパスは、札幌インターハイ必見だ。