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7月25日から30日にかけて北海道で行われる「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは今大会で活躍が期待される注目選手をピックアップした。
文=田島早苗
写真=伊藤大允
桜花学園高校(愛知県)は、昨年のインターハイでは3回戦敗退。ともに優勝候補と目されていた京都精華学園高校(京都府)と大接戦の末に63ー65で涙をのんだ。
その試合で、チーム最多の19得点を挙げたのが当時バックアップメンバーであった田中こころだ。田中はウインターカップでスターターとなり、東海大学付属福岡高校(福岡県)との3回戦では3ポイントシュート6本を含む27点を奪った。だが、この試合も63ー64と勝利にはあと一歩及ばず、昨年は夏と冬、いずれも全国大会はベスト16に留まった。
リベンジを誓う今年、3年生となった田中は、黒川心音(3年)とともにダブルキャプテンを務め、試合ではエースとしてチームを引っ張っる。6月には、「第70回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」で危なげない戦いを見せて優勝。「(2月の)東海新人大会も優勝しましたが、油断すると足元をすくわれてしまうというのは、ウインターカップでの負けからずっと思っていたので、勝ててよかったなと思います」と田中は、大会を振り返った。
3ポイントシュートやドライブなど高い攻撃力を持ち、東海大会決勝でも20得点奪取した田中。加えて、「2年生の頃から得点源としてやらせてもらっていますが、今年はポイントガードもできるように。ボールもらったらブレイクやスピードを生かして攻めるということを意識しています」と、ゲームメークにも力を入れている。「どちらかがボールをもったら、もう一人は走るようにしています」と、ともにガードを務める黒川も田中にとっては心強い存在だ。
また、自身についても「もっと私の得点が伸びたら周りも落ち着いてプレーできるかなと思ってるので、どんどんシュートを狙っていきたいです」と、来る夏に向けて意気込んでいた。
192センチの福王伶奈(3年)は、下級生の頃から桜花学園高校(愛知県)のインサイドを支えてきた。3年生となった今年も高さを生かした得点のみならず、相手チームのビッグマンへのディフェンスでも大きな働きが期待される選手だ。
2連覇を達成した「第70回東海高等学校総合体育大会バスケットボール競技」(6月17、18日)ではスターターとして出場。だが、大会直前に足を痛めていたこともあり、「ずっと調子が悪くて、緊張や不安もいっぱいだった」という。それでも、決勝ではチームメートの黒川心音(3年)の声かけに救われたとのことで、「インターハイでは、しっかりとした姿でプレーできるように頑張りたいです」と、意気込む。
加えて、「今のようにすごく波があるというか、山あり谷ありのプレーでは良くないと思うので、もっと波を少なくして、常にいいプレーをできる状態でいられるようにしたいです」とも語った。
高さを生かした得点のみならず、速攻でも先頭を走って得点に絡む福王。年を重ねるごとに体の強さも備わってきており、初代女王となった「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」では、インターハイ覇者・京都精華学園高校(京都府)との試合で、相手センターのイゾジェ ウチェ(現シャンソン化粧品シャンソンVマジック)とディマロ ジェシカ(3年)に対して体を張ったディフェンスで奮闘。2人に容易に得点を与えず、チームの勝利に一役勝った。
いよいよ最上級生となった福王は、インターハイとウインターカップでベスト16に終わった昨年を振り返りながら、目前に迫った高校最後のインターハイに向けて思いを語った。
「昨年は上を見すぎて足元すくわれたという感じでした。今年はそういった油断も隙もなくして、万全の状態で挑めるようにしたいです」