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2人の留学生を擁する明星学園高校(東京都)と戦うにあたり、高さ対策はしてきた。けれども、相手の強さはそれだけではなかった。
最終スコアは60−100。8月11日に行われた「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の女子2回戦、聖和学園高校(宮城県)は第2シードの明星学園に敗れた。
第1クォーターこそ5点ビハインドで終えた聖和学園だったが、第2クォーター開始から立て続けにターンオーバーを犯してしまい、そこから一気に離された。
聖和学園に襲いかかったのは、相手のオールコートプレスだ。明星学園がスコアを刻むと、ガード陣に前から激しく、しつこく、襲いかかるようなプレッシャーをかけられ、思うようにボールが運べない。聖和学園は苦しまぎれに出したパスをカットされると、自分たちのディフェンスでは193センチのアダム アフォディヤ(2年)、185センチのアディクペ エスター(3年)を高さを跳ね返せずに失点が続く。第2クォーターで9−28、第3クォーターでも16−31と圧倒された。
「いやぁ、強かったですね」
試合後、取材エリアで開口一番にそう述べたのは小野裕コーチ。「高さの対策はしていたのですが、それプラス、前から当たられてしまって……」と、相手ディフェンスの破壊力に驚かされた様子で試合を振り返った。
キャプテンの菊地ひかり(3年)も「相手とは速さと強さ、高さも全然違っていて、自分たちが何もできないまま終わってしまいました。すごく悔しいです」と完敗を認める。実際にコート上でプレーした立場としては、「留学生を意識した練習をしてきたのですが、周りのガード陣も速くて、ディフェンスでの5人の連動性に圧倒されました」と明星学園との差を痛感したようだ。
チームは2回戦でインターハイを去ることになった。しかし、その中でも「リバウンドは取れたと思います」と一定の手応えを口にした選手がいる。1年生の高瀬ゆのかだ。
174センチの高瀬は、1年生で今大会唯一のメンバー入りを果たしただけでなく、スターターにも名を連ねた。現在与えられている仕事は、主にリバウンド。10日の初戦では思うようなプレーができなかったようだが、明星学園戦では7つのオフェンスリバウンドを含む計11リバウンド、12得点も奪ってダブルダブルを達成した。
「入学したときから起用し続けている選手です。まだ技術はないですが、賢くて、体の当たりも強い。外回りのプレーもできるような選手に育てていければなと。シュートフォームもワンハンドに変えたばかりなので、これからしっかり鍛えたいと思います」
U16日本代表候補にも選出されたルーキーに対し、小野コーチも期待を膨らませている。高瀬もこの期待に応えようと、今後への意気込みを語った。
「あまり積極的にシュートに行けなかったので、ミドルシュートの確率を上げて得点も取れるようになりたいです」
この完敗と期待のルーキーの加入は、これからの聖和学園にどんな変化をもたらすのか。チームの成長が非常に楽しみだ。
写真=伊藤 大允
取材・文=小沼克年