2017.10.26

【インタビュー】アンソニー・マクヘンリー「もう一度原点に戻って」

9年間在籍した琉球ゴールデンキングスを離れ、今季は信州ブレイブウォリアーズをけん引 [写真]=鳴神富一
1981年、北海道生まれ。「BOOST the GAME」というWEBメディアを運営しながら、スポーツジャーナリストとしてBリーグを中心に各メディアに執筆や解説を行いながら活動中。「日本のバスケの声をリアルに伝える」がモットー。

栄光もつかみ取り、ブースターから愛され、チームのレジェンドといわれた男が、慣れ親しんだ沖縄の地を離れて、信州の地に足を踏み入れた。オフシーズンの移籍市場の中でビッグニュースの一つであったことは間違いない事実であった。昨シーズン、チームはB2リーグという舞台で最下位という悔しい結果に終わったが、彼が電撃的に加入し、プレシーズンの東海・北陸アーリーカップでも躍進を見せ(全6チーム中3位)、ここまでレギュラーシーズン5勝4敗(10月25日現在)と上々の滑りだしと言えよう。チームを率いる小野寺龍太郎ヘッドコーチも「マックには得点源という部分だけではなく、チームプレーを中心として構築していく部分や培った経験を若い選手たちに伝える部分、コート上でもオフコートでも様々な部分で期待や信頼をしている」と絶大な評価をしている。

今や信州ブレイブウォリアーズの大黒柱となっているアンソニー・マクヘンリーに、10月22日のB2リーグ第4節ライジングゼファー福岡戦後に話を聞くことができた。秋田ノーザンハピネッツと福岡という強豪との4連戦を終え、悔しい連敗の後ではあったが、彼はいつもと変わらずジェントルマンだった。

インタビュー=鳴神富一

――2連敗で4勝4敗となりました。まずは福岡との2連戦を振り返ってもらえますか?

マクヘンリー 本来であれば、オフェンスでもディフェンスでもチームとして戦ってゲームを進めていく感じであり、序盤はそれができました。しかし、今日の後半はチームとして戦うことができなくて、個々で戦ってしまい、それぞれが孤立してしまいました。コート上の人間がお互いを助けあってプレーしていれば、結果として違っていたのではと思っています。

[写真]=鳴神富一

――マックが加入して昨シーズンよりも非常にチームが変わった気がします。特に日本人選手の意識が変わったと感じますが、いかがでしょうか?

マクヘンリー 昨シーズンのチームはわからないのですが、一つ言えるのは、今シーズンのチームは、プレシーズンから改善すべきところを改善できているということです。それでも、シーズンは始まったばかりです。これからシーズンは長いですが、日々の練習から改善すべきことをしっかりと認識していければ、もっともっといいチームになっていくのではないかと思っています。

――チームメートの新城真司選手と一緒に琉球ゴールデンキングスから信州にやってきましたが、この決断をした理由は?(マクヘンリーは7月10日に契約合意発表、新城は7月26日)

マクヘンリー まずはこのチームが自分に興味を持ってくれたことが一つの大きな理由ですね。あとは自分自身の残りのキャリアを考えた時に、「信州でプレーすることは非常にいいチャンスだな」と思いました。それと、信州のフロントスタッフや、このチームすべてをとおして、本当に素晴らしいと感じて、プレーしようと思ったんです。なので、大きな決断をしてこのチームにやってきました。

[写真]=鳴神富一

――沖縄とは真逆の気候ですが、寒さは大丈夫ですか?

マクヘンリー 沖縄と信州の気候はだいぶ違いますけど、寒さに関しては、何度か経験しているので大丈夫だと思います。だけど、新城選手は沖縄生まれ沖縄育ちで、本当の寒さを経験していません(笑)。彼が信州の寒さに対して大丈夫かなという心配はありますが、僕自身は大丈夫です。

――最後に、大きな決断をして今シーズンプレーしているけれども、目標を聞かせてもらえますか?

マクヘンリー 個人としてのゴールや目標は特になくて、本当にチームが勝てるだけ勝つというのがゴールです。先ほども言いましたけれども、自分自身また原点に戻って、しっかりとやるべきことをやっていくだけですね。

[写真]=鳴神富一

 原点に戻って。

 ここまで日本バスケットボール界でキャリアを積みあげた男が、ベテランになっても初心を忘れずに、自身がやるべきことにフォーカスしてチャレンジしている。

 彼が持ちあわせているメンタリティーや勝利への執着心で、チームは昨シーズンから大きく飛躍している。信州ブレイブウォリアーズというチームが今シーズンB2の中で非常に面白く、そして台風の目であることはここで断言しておこう。

 一番小さなホームアリーナを持つ熱いチームが、昨シーズンの悔しさを忘れず、彼を中心に逆襲に打ってでる。