アルバルク東京は第28節で名古屋ダイヤモンドドルフィンズに土をつけられ、東地区首位の千葉ジェッツとの差が開いてしまった。しかしながら、三遠ネオフェニックスをアリーナ立川立飛に迎えた第29節第1戦は81-58で快勝。千葉への追撃態勢を維持すると同時に、すでに進出を決めている「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2017-18」に向けて確かな手応えを得た。
故障のロバート・ドジャーに代わってスターターに起用されたウェンデル・ホワイトの得点で三遠に先制を許すと、田渡修人と鹿野洵生の3ポイントを浴びて3-10と劣勢に立たされる。ブレンダン・レーンらの得点で反撃を試みるが、三遠も太田敦也のバスケットカウントや鈴木達也の3ポイントで逆転を許さず、第1クォーターのA東京は14-19とビハインドを背負う。
しかし、第2クォーターに入るとザック・バランスキーのドライブを皮切りにギアを上げ、開始3分で逆転する。残り4分23秒には、ここまで音なしだった田中大貴がバスケットカウントで初得点。波に乗ったA東京を三遠は止めることができず、竹内譲次の連続得点などで42-31と逆に11点をリードして前半を終える。
第3クォーターはディフェンスのプレッシャーを強め、三遠のターンオーバーを誘発。オフェンスでも、前半無得点だったアレックス・カークにバスケットカウントが飛びだし、さらに勢いづく。焦りの見える三遠はホワイトらがタフショットを打たされる場面が目立ち、このクォーターは24-7とA東京が圧倒。10分を残して66-38と大量28点差がついた第4クォーターは田渡修人の2本の3ポイントやホワイトのダンクが飛びだすが、A東京がセーフティーリードを守ったまま試合を締めくくった。
「ここ数週間はリードを広げても勝ちきれずに取りこぼしてしまった試合もいくつかあったが、今日は選手たちが強く戦ってくれた」と、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチもハードなディフェンスを継続したチームを高く評価。「我々の目標はただ1つ。明日は今日、もしくは今日以上の試合をしたい」と、残り試合への強い意気込みを口にした。
この試合は田中が8得点、カークが6得点。大黒柱の2人がともに2ケタ得点に届かなかったにもかかわらず、出場10人中9人が6得点以上をマーク。唯一3得点に終わった小島元基は9アシストを記録している。攻守両面で高い完成度を示し、A東京はいいムードのままCSに突入しそうだ。
文=吉川哲彦