2019.03.27
最後の1枠を勝ち取った昨季に続き、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは今季もチャンピオンシップのイスを巡る激しい争いの中心にいる。第29節はアルバルク東京に連敗を喫する結果に終わり、この時点では西地区2位の京都ハンナリーズと2勝差、ワイルドカードでも富山グラウジーズと1勝差で、いずれもCS進出圏をわずかに外れている状況だ。特にワイルドカードでは背後にシーホース三河とサンロッカーズ渋谷も僅差で続き、一瞬たりとも気を抜くことはできない。
そのことはチームとしても重々承知。第31節には京都とのレギュラーシーズン最後の直接対決も控える中、梶山信吾ヘッドコーチが強調するのは危機感だ。
「(前節の)SR渋谷戦で良いディフェンスができていたが、A東京との2試合はチームルール等の細かなところができていなかったので、まずはそこを修正すること。あとはやはり、もう負けられないという危機感を持ちながら選手・スタッフ全員が取り組む姿勢を持って、チーム一丸とならなければいけない。大事なのはメンタルですね」
最後に口にした「メンタル」という言葉は、奇しくも3月23日のA東京との1戦目の後に張本天傑が今後のカギと語っていたポイントそのものだ。その点で、翌24日のA東京との2戦目で、特に後半にリードを広げられて意気消沈し、プレーに精彩を欠いてしまったことはチームとしても大きな課題。どのチームもリードしている場面では勢いに乗ってプレーのキレが増し、競った展開になれば集中力を保ってプレーすることができる。強豪とその他を分けるのはむしろ、劣勢に立たされた場面での対応だ。名古屋Dはオフェンシブなバスケットスタイルも手伝い、良い時は一気に流れを引き寄せる。実際A東京との2戦目も、一時は19点まで開いた点差を8点まで詰めて前半を終えた。後半に耐えることができていれば、少なくとも接戦に持ちこむことは可能だったはずだ。
レギュラーシーズンも残り11試合。ここからのサバイバルレースは1つのミスが致命傷になりかねず、メンタル面においても一度下を向いてしまえばそれが敗戦に直結することもある。梶山HCは「とにかく選手同士でしっかりと声をかけ合うこと。もちろんタイムアウトは取りますが、実際にコート上で表現するのは選手たちなので」と、選手たちの自覚を促す構えだ。強いメンタルを身につけることができるかどうかが、名古屋Dの運命の分かれ道になる。
文=吉川哲彦
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