2019.03.27
3月24日に行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で、アルバルク東京のチャンピオンシップ進出が決定。昨季王者として、まずは最低限のノルマをクリアしたと言うべきだろう。ただし、第29節を終えた現時点での順位は東地区3位。残るレギュラーシーズン11試合で順位を上げることは不可能ではないが、このままいけばワイルドカード枠での進出ということになる。
しかしながら、振り返ると昨季も開幕から守っていた地区首位の座をシーズン終盤に千葉ジェッツに明け渡し、地区2位でのCS進出。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは順位を下げる前から「大事なのは最後に優勝すること」と言い続け、レギュラーシーズンの順位には執着していなかった。今季に関しても「一番高いレベルでプレーして、最後に勝つチャンスを得るまで戦うことが自分たちのゴール」と、その考えは変わっていないようだ。CS進出が決まった今、当然ながらその視線はゴールまでの道程に向けられており、そこには油断も見られない。
「例えば新潟(アルビレックスBB)とは昨季から6回対戦して4回負けているし、川崎(ブレイブサンダース)戦も帰化選手やシュート力のあるガード陣と戦うことになる。琉球(ゴールデンキングス)は今少し出遅れている感じはあるが、どこが相手でも勝利するギャランティー(保証)は我々にはない。良い準備をして、良い状況で臨みたい」
優勝を果たした昨季のチームとの違いについて、ルカHCが意識している点は2つあるという。1つはビッグマンのラインアップ。オンザコートルールが変わったことでアレックス・カークの出場時間が昨季より増えており、そのローテーションを工夫する必要があるという。もう1つはチームとしての完成度。3選手が日本代表活動でチームを留守にした時間が長かった分、チームケミストリーがまだ不十分と感じているとのこと。「今後はチーム全員で戦っていく姿勢を見せることが大事だ」というルカHCの言葉は、まだまだ向上の余地があるという意欲の表れに他ならない。
シーズンをとおしてのステップの踏み方は、優勝という形でその正しさを昨季証明した。もちろん選手たちもその過程をよく知っており、その経験は他チームにはない、優勝への最大のアドバンテージ。レギュラーシーズン残り11試合でA東京がはたしてどこまでステップアップするのか、ルカHCの手綱さばきは必見だ。
文=吉川哲彦
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