2020.09.29

測定器では世界的なシェアを誇るミツトヨがなぜ川崎ブレイブサンダースのグローバルトップパートナーになったのか?

今回、取材に対応していただいたミツトヨの営業本部副本部長加藤大輔さん(右)と販売促進部中島幸太さん [写真]=伊藤 大充
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

川崎ブレイブサンダースとグローバルトップパートナー契約を結び、2020-21シーズンからユニフォームの胸にロゴが提出されるようになった企業が『ミツトヨ』だ。この社名を初めて知った人も多いと思うが、どのような企業なのか、そして契約の経緯を知りたい! 早速同社に問い合わせをしてみると、営業本部副本部長の加藤大輔さんと販売促進部中島幸太さんが対応してくれるという。取材班は川崎市の溝の口に急行した。

取材・文=入江美紀雄

写真=伊藤 大充

取材協力=株式会社ミツトヨ

川崎からアジア、そして世界を目指すという共通理念

若手の意見を取り入れていく過程の中で川崎ブレイブサンダースに出会ったと副本部長の加藤さん [写真]=伊藤 大充

――早速ですが、川崎ブレイブサンダースのスポンサーになったきっかけを教えてください。

加藤 前提からお話しさせていただければ、ミツトヨは製造業の中では多少名前が知られている認識はありました。しかし、そこに留まらず一企業としてさらに多様なことに挑戦していこうと考えているうえで、多様な人材が求められるわけです。そこで素晴らしい人材を集めるには、いろいろな方にミツトヨを知っていただくことが非常に大事であるという結論に達しました。一般の方々にミツトヨを知っていただくための活動は、数年前からコツコツと始めていまして、例えば、社の経営理念を柔らかく表現したキャッチフレーズを考案し、それを利用した交通広告を掲出するなどを行っております。その中でスポーツはその目的を達成するために適している、多くの方に興味を持ってもらえるためのコンテンツであると部署内からも提案が出てきたのです。それならばどんなことができるのかを研究してくれと言っていた中で、若手スタッフがいろいろ調べてくれた結果、ブレイブサンダースと巡り合いました。

中島 弊社は川崎市の溝の口に居を構えていますが、ここにはたくさんのプロスポーツチームが活動をしています。その中からミツトヨの企業理念に近いスローガンを持っているチームはあるのか、どのチームが適しているのだろうかと調べてました。やはり弊社と一緒に成長していただけるところがいい。国内でバスケットボールが盛り上がっている中、チームとしても強くなろうとされている川崎ブレイブサンダースと当社の理念に通じる部分があるのも分かり、最もシンパシーを感じたのも1つの経緯ですね。

――ブレイブサンダースは「アジアから世界を目指す」というテーマを掲げていますが、これも共鳴されたのでしょうか。

中島 大きかったですね。私たちがスポンサーをすることに「なんで?」と思う方もいるかもしれません。しかし、ブレイブサンダースの考え方に共鳴でき、ぜひとも協力したいと思ったわけです。私たちと同じ方向を向いているチームであることがとても重要だと思っています。

――ミツトヨは”BtoB(企業間取引)”のイメージが強いのですが、一般の消費者や川崎市民にはどのように還元されていますか?

加藤 これからだと思っています。測定機器に関して長い歴史を持っていますので、現在、『沼田記念館/測定機器館』という博物館を一般開放していますし、学校の社会科見学でもご利用いただいていることもあり、近隣の皆様との接点はあると思います。ただ、今企業が問われています地域貢献につきましては、弊社としてももう少しできることがあると考えています。今回のブレイブサンダースとの取り組みはその1つを実現するためにも、チャンスになるのかなと思います。

――“測る”ということがどのように社会に還元されるのでしょうか?

加藤 確かに地味ですし、昔よく言われていたのは「測定器は付加価値がない」ということです。正直、投資に関しても後回しにされたり、「測定器1台って車が買えるほどの値段なんだよね」とも言われたものです。ですので、私たちも測る大切さをPRすることにすごく苦労しています。しかし、最近少しずつ考え方が変わってきていて、徹底した品質管理には、あらゆる工程で”測る”ことは欠かせないものであるという考えが浸透し始めています。昔はできた製品を最後に検査室で測ることが主流でしたが、今では生産中の現場でも”測る”ことにより、不良品を出さないことに寄与しています。測ったデータをリアルタイムで蓄積し分析して、不良を出さない、無駄を省き生産性を高めていくということが今の主流の考え方です。そういった意味では、ものを作りだす生産財の一部と捉えていただきたかったですし、お客様がそのような指向に変化されていることも感じています。

バスケットボールが持つポテンシャルの高さを社内からも実感

とどろきアリーナの盛り上がりを「衝撃的でした」語った中島さん [写真]=伊藤 大充

――Bリーグを含め、バスケットボールに対する印象はいかがですか?

加藤 バスケットボールの盛り上がりはとても新しいムーブメントだと思っていました。ブレイブサンダースとお付き合いを始めてますます期待感が高まっていると思うのですが、バスケットが根強く人気があることは私たちも感覚的にわかっていました。弊社内にも社員のバスケットボールチームがありまして、わりと多くの社員が参加しています。体育の授業でも教わりますし、誰もが1回はプレーしたことがあるスポーツで、バスケットボール自体の認知度はすごく高いと考えていました。他の競技とはまた違ったテイストだと思います。

――ブレイブサンダースのホームアリーナであるとどろきアリーナへも行かれたとうかがいましたが率直な感想は?

中島 衝撃的でしたね。まずこんなに人が入っているのかと驚きました。今加藤が申し上げましたけど、バスケットボールは他のスポーツよりも人を選ばないからだと思います。さらにアリーナで感じたのは、ファンの盛り上がりとそれを生み出す川崎ブレイブサンダースさんの努力です。これも衝撃的でしたね。ここまでやるのかと。そして試合自体はやはりあのスピード感がすごいですね。そしてファンとチームが1つになって戦っているという一体感は私たちの想像を大きく超えていました。

――ユニフォームの胸ロゴのスポンサーとなると、ある意味チームの顔と言えます。それを選ばれたのは何か特別な理由がありますか?

加藤 ブレイブサンダースを筆頭に、Bリーグ、日本のバスケットボール界の目覚ましい発展を間近に見て、ぜひとも私たちも協力したい、一緒にやらせていただければと思いました。胸ロゴのスポンサーになるというよりも、チームと一体になる感じでしょうか。

――ブレイブサンダースのホームゲームでは親子招待やそれ以外の施策を検討中だとうかがいました。

中島 10月の開幕に向けて少しずつ形になってきました。グローバルトップパートナーに見合った企画をブレイブサンダースと密に進めさせていただいています。川崎の中にも浸透していく地域貢献活動にも、ブレイブサンダースと一緒にアピールしていきたいですね。何度も言いますが、非常に良い出会いだったと本当に思います。

――あとは胸スポンサーを見慣れてもらうだけですね。

加藤 そこは少しドキドキしています(笑)

中島 どう川崎の方たちに認知してもらうかが第1ステップなのかなと思います。

加藤 数ある企業の中から声をかけていただいて本当にブレイブサンダースに感謝しています。長いお付き合いになればすばらしいですね。

――今後、川崎ブレイブサンダースに期待することはありますか?

加藤 まずブレイブサンダースの元沢社長もおっしゃっていましたが、2年越しの目標、リーグ制覇を達成していただきたいですね。私たちにできることをさらに見つけながら、全力で応援 していきます。

中島 弊社の海外支社の人たちにもブレイブサンダースをサポートする話が伝わったのですが、各地域からとてもポジティブな反応をもらえて、実はびっくりしているところです。やはりバスケットボールは世界的なスポーツであり裾野の広さを実感するとともに、そのポテンシャルの高さをまざまざと感じています。

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