2021.12.24

大会屈指の点取り屋、札幌山の手の森岡ほのかが大阪薫英から得た学びとは

大阪薫英女学院戦で39得点を挙げた森岡ほのか[提供]=日本バスケットボール協会
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 2年生キャプテンとして札幌山の手高校(北海道)を引っ張る森岡ほのかは、昨年のウインターカップでもすでに注目を集めていた選手だ。

 当時から主将を任されていたことも目に留まる点だが、特筆すべきはどこからでも点が取れる類まれな得点力。前回大会では35得点を稼いだ試合が2度あり、平均30.3得点という数字を残している。

 昨年の3年生が抜けた今年、森岡はキャプテン兼エース、さらにはポイントガードを担う絶対的存在として再びウインターカップに戻ってきた。そして、山場となった「SoftBank ウインターカップ2021 令和3年度 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の2回戦では、インターハイ準優勝の大阪薫英女学院高校(大阪府)相手に1人で39得点をマーク。しかし、試合には71-89と差をつけられ、2回戦で大会を去ることとなった。

 この試合を迎えるにあたって、「薫英のような強いチームに勝つには自分が30点ぐらい得点を決めなきゃ勝てないと思っていたので、それくらい決めるのは当たり前だと思っていました」と森岡は明かす。オフェンスのパフォーマンスとしては及第点以上の出来だったと言えるだろう。ただ、森岡は試合についてこうも話した。

「相手は小さいチームだと思っていたけれど、小さい選手もリバウンドに強く飛び込んでいました。自分たちに無いものがあってたくさん学ぶものがありました」

 この試合、計38リバウンドの札幌山の手に対し、高さで劣る大阪薫英が記録したのは56リバウンド。175センチの佐藤双羽(3年)に25リバウンド、158センチの都野七海(2年)にも9本のリバウンドを取られ、オフェンスリバウンドだけで30本を奪われしまった。森岡が持ち前の得点力を発揮しても18点差で敗れてしまったのは、チーム全体でこの差を埋められなかったことが大きな要因として挙げられる。

「自分がディフェンスやルーズボールといった地道なところを一生懸命やって引っ張っていかなきゃいけないと思いました。オフェンスだけじゃなくてしっかりとしたディフェンスもできるようになって、隙のない選手になれるようにあと1年頑張ります」

 今回のウインターカップでは森岡のプレーを2試合しか見れなかった。けれど、前述した得点能力だけでなく、まるでコートを俯瞰して見ているような視野の広さ、落ち着き、パスセンスにも目を見張るものがあった。

 悔しい。けど、森岡は今の自分に足りないものを見つけられた。また一回り強くなって、この舞台に帰ってきてほしい。

 文=小沼克年

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