2022.12.29

男子頂上決戦は福岡第一vs開志国際!…3年ぶりの王座奪還か、それとも悲願の初優勝か

今季2度目の頂上決戦! 勝利をつかむのはどのチームか⁉(左/福岡第一の轟、右/開志国際の介川)[写真]=バスケットボールキング
フリーライター

 12月23日に開幕した「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は、残すところあと1試合。12月29日に行われるウインターカップ男子決勝の舞台に立つのは、第1シードの福岡第一高校(福岡県)と第2シードの開志国際高校(新潟県)だ。今夏のインターハイではラストワンプレーまでもつれた死闘の末、福岡第一に軍配が上がった。今大会も決勝戦まで辿り着いた両者が、2022年を締めくくる一戦で名勝負を見せてくれるはずだ。

 29日の準決勝、福岡第一は中部大学第一高校(愛知県)を第3クォーター終盤から引き離し、76−64で振り切った。この日は轟琉維(3年)が17得点7アシスト、崎濱秀斗(2年)と城戸賢心(3年)がそろって23得点とガード陣が得点力を発揮。無得点の平岡倖汰(3年)も、ルーズボールやリバウンドに飛び込んで自身の役目を果たし、勝利を手繰り寄せた。

轟とともに福岡第一を支える城戸 [写真]=バスケットボールキング

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 しかし、エースの轟は準々決勝の帝京長岡高校(新潟県)戦に引き続きファウルドラブルに陥るなど、思うようなプレーができず。試合後は「前半も後半も自分のシュートが入らず、チームに迷惑かけてしまいました。流れも掴めず、今日も崎濱に頼ってしまった試合でした」と試合を振り返った。

 一方、開志国際は藤枝明誠高校(静岡県)との準決勝を2点差で下し、ウインターカップでは初の決勝進出を決めた。試合は第3クォーターで29−19として逆転に成功したが、その後は粘られて試合終了残り17秒で76−76。それでも、最後のセットプレーで介川アンソニー翔(3年)がシュートをねじ込むと、藤枝明誠のラストショットを凌いで激闘を制した。

 決勝点を決めきったエースの介川は「ちょっと出足が悪くなってしまったんですけど、後半から挽回できてよかったです」と安堵。たが、初の決勝進出には素直に「嬉しいです」と笑顔を見せた。

 インターハイ同様、エントリーメンバー全員が試合に絡める福岡第一は、ここまでの4試合すべてで全員出場するほどの戦力を誇る。対する開志国際は、夏以降は清水脩真(1年)、中島遙希(2年)が台頭。インサイド陣だけでなく、澤田竜馬(2年)、平良宗龍(1年)の両ガード支える存在が出てきたことは、福岡第一を撃破するうえでも大きなプラスになるだろう。

開志国際のキープレーヤー、武藤 [写真]=バスケットボールキング


 チームスタイルは、両校ともに『堅守速攻』。速さの面では福岡第一の方が上だと言えるが、開志国際の富樫英樹コーチは「リバウンドではこっちに少し分があるかなと。そこは今までどおり、武藤(俊太朗/3年)とアンソニーが勝負を仕掛けてほしいなと思います」と、まずは自分たちの強みで主導権を取りにいく構えだ。

 福岡第一としては「勝たせなきゃいけないという思いがあるのかな」と井出口孝コーチが言うように、轟のパフォーマンスが気がかり。それでも、福岡第一の背番号8は「去年の悔しい思いをこの決勝の舞台で晴らして、最高の笑顔で終わりたい」と意気込む。ポジションは異なるが、轟と介川のエース対決は試合を左右するうえでも重要なポイントになりそうだ。

 今夏に続き福岡第一が頂点に立てば、2019年以来となるチャンピオンに輝く。開志国際が見事インターハイのリベンジを果たすことができれば、ウインターカップ初制覇となる。運命の頂上決戦は13時ティップオフだ。

文=小沼克年