2023.03.22

東海大付福岡が4年ぶりに開催となった全九州春季選手権大会で女子の頂点に立つ

Aパートの女子優勝を収めた東海大付福岡 [写真]=田島早苗
フリーライター

 3月18、19日の期間で鹿児島県にて行われた「第53回 全九州高等学校バスケットボール春季選手権大会」。女子も男子と同じく各県の1、2位チームで編成されるAパートと、各県3、4位チームで編成されるBパートに分かれてトーナメント戦を戦った。

 Aパートで準決勝へと勝ち上がったのは、昨年のインターハイとウインターカップで4強入りを果たした東海大学付属福岡高校(福岡県)に慶誠高校(熊本県)、精華女子高校(福岡県)、鹿児島高校(鹿児島)の4チーム。

 その中で地元の鹿児島は、決勝進出を懸けて準決勝で東海大付福岡と対戦した。試合は、伊地知優果(2年)が3ポイントシュートなどで対抗したものの、第1クォーターを終えて鹿児島が8点のビハインドを追う。第2クォーターこそ互角の戦いとなったが、第3クォーターでは東海大付福岡の境さくら(2年)、伊東友莉香(1年)らに得点を許してさらに点差が広がってしまう。そのまま第4クォーターでも追い上げることができなかった鹿児島。最後は66-89で敗れた。

攻撃の中心を担う鹿児島の伊地知[写真]=田島早苗


 もう一つの準決勝、慶誠と精華女子との試合は接戦に。第1クォーターで2点リードした精華女子だったが、第2クォーターに入ると思うようにシュートが決まらず得点が伸びない。逆に慶誠に限られたチャンスで確率良くシュートを沈められてしまい、逆転を許す。第3クォーターこそ1点差に詰めた精華女子だったが、第4クォーターでも得点ペースが上がらず、インサイドを軸に攻め立てた慶誠にリードを広げられて53-73で敗退した。

運動量豊富な精華女子の谷[写真]=田島早苗


 東海大付福岡と慶誠との決勝戦。好スタートを切ったのは慶誠で、高松日葵(1年)の3ポイントシュートを皮切りに、加納華乃(2年)の3ポイントシュートやロー ジョバ(1年)のインサイドプレーなどで開始約6分に14-2とリードを奪う。そのまま第1クォーターは慶誠が7点リードで終了した。

的確なパス回してオフェンスを組み立てた慶誠の加納[写真]=田島早苗


 第2クォーターでも慶誠はコンスタントに加点。序盤は慶誠がリズムをつかんだが、第1クォーターを終えて「トランジションのところで相手のリズムになっているということを確認し、もっと脚を使っていく、主にオフェンスのところでズレを作って仕掛けよう」(宮﨑優介コーチ)という修正点を再確認した東海大付福岡が、徐々に追い上げを図る。第2クォーター残り3分を切ってからは東海大付福岡が怒とうの反撃。ドライブに3ポイントシュートにと多彩な攻撃を仕掛けて慶誠に追いついて前半を終了した。

 36-36で迎えた後半、浜口さくら(2年)、伊東らがシュートを沈めた東海大付福岡が一気に畳み掛ける。積極的なプレーを見せた東海大付福岡は、第3クォーターで9点のリードを奪うと、第4クォーターでも点差をキープしながら試合を進め、70-58で勝利した。

Aパートの女子優勝を収めた東海大付福岡 [写真]=田島早苗


「昨年まではファール アミナタがいたので、アミ チャラウ(1年)のプレータイムが、アミナタの1年生ときと比較しても少なかったです。今大会では、彼女がまず40分間、試合に出たことが良かったです」と、インサイドのチャラウについて語った宮﨑コーチ。また、インサイドが主戦場ながら、プレーの幅を広げている伊東に関しても「アウトサイドのショット。本数は多くないけれど、自分のシュートを打ってくれたと思います」と語り、1年生2人のプレーには手応えを感じたようだった。さらに「そこに新3年生がもっともっと自覚を持ってやってくれれば。県大会までに違うチームに仕上げていくキッカケの大会になりました」と、指揮官はこの先に続く、インターハイを見据えていた。

 一方、敗れた慶誠は、「昨年全国ベスト4のようなチームにどのように戦えるか」(右田卓也コーチ)という思いで決戦に臨んだが、第2クォーターで追いつかれての逆転負け。「うちはトーンダウンしてしまったところがありましたが、相手は平常心で戦っていました」と右田コーチは試合を振り返った。ただ、4年ぶりの大会で決勝進出。「これで終わらないように」(右田コーチ)と、新たな戦い向けて気を引き締め直していた。

 また、Bパートでは中村学園女子高校との福岡対決を制した福岡大付若葉高校が77-67で優勝を飾った。

取材・文・写真=田島早苗